大手前大学 通信教育部(通信制大学)の経済学基礎

経済学基礎

※下記の科目詳細は2018年度開講科目です。

基本情報

単位数 2単位 授業方法 通信授業

授業内容

ミクロ経済学、マクロ経済学の基礎理論を現実の経済現象・問題と結びつけて説明することができるようになる。ミクロ経済学に関しては、経済学における需要・供給と市場均衡の概念、市場の価格調整機能、完全競争市場、消費者行動の理論、生産者行動の理論、市場の安定性、社会的余剰、市場の失敗、外部性、公共財、独占・寡占市場、ゲーム理論、そして国際貿易について理論的に説明できるようになる。
マクロ経済学に関しては、付加価値、国内総生産(GDP)、物価指数、ケインズ経済学、生産物市場と資産市場の概念、IS/LMモデル分析、財政政策、金融政策、労働市場、AD/AS分析、マクロ経済学のミクロ的基礎づけ、国際収支と為替レートの概念など、現代マクロ経済学の基礎理論について理論的に説明できるようになる。

以上の理論を、分析対象に応じて適切に組み合わせることで、経済全体を体系的かつ有機的に捉えることができるようになる。そして、それらを現実の経済問題と関連付け、理論的にとらえ直すことによって、その構造や原因を自分の力で追及し、解決策を提示することができるようになる。学習の結果として、公務員試験(初級~地方上級)で頻出される経済学分野の問題に正答できるようになる。

科目情報

学習内容 概要

第1回 経済学への第一歩

経済学とは何を考える学問なのかを学ぶ。そして、その基礎理論にあたるミクロ経済学、マクロ経済学が何を分析対象とする学問なのか、どのように分析するか学ぶ。また、経済学における需要と供給という概念、市場での価格の決まり方について学習する。

第2回 消費者行動の理論

消費者の満足度を表す「効用」という概念を学び、消費者の選好と効用の大小関係を表す無差別曲線について学ぶ。また、無差別曲線、限界代替率、予算制約を用いて、消費者の最適な消費行動をどのように理論的に説明できるか学ぶ。そして、それらの基礎理論をもとに、財の所得や価格が変化したときに、消費選択がどのように変化するかを分析する。最後に、消費者行動の理論から需要曲線を導くことができることを学ぶ。

第3回 生産者行動の理論

経済学における生産者(企業)と生産物と費用の関係を学び、「利潤最大化」をキーワードに、生産者がどのように最適な生産水準を決定するか理論的にとらえる。また、短期と長期の生産者行動の違いを学ぶ。最後に、生産者行動の理論から供給曲線を導くことができることを学ぶ。

第4回 市場均衡と経済厚生

消費者理論と生産者理論を組み合わせて、改めて市場均衡とはどのような状態を意味するのか学ぶ。そして、市場均衡を分析する手法として部分均衡分析と一般均衡分析を紹介し、それぞれの手法が相互に補完的なものであることを学習する。また、部分均衡分析の応用である余剰分析を用いて、社会全体の経済厚生を分析する。さらに、エッジワースのボックス・ダイアグラムを用いて、純粋交換経済を分析し、パレート最適の概念を学ぶ。最後に、厚生経済学の基本定理を学習する。

第5回 不完全競争市場における均衡

不完全競争市場とはどのような市場かを学ぶ。1つの市場を1社が独占する場合、複数の生産主体が独占する場合では、生産者が市場の価格支配力を持つことを学ぶ。そのとき、独占・寡占市場におかれた生産者が、どのように自社の利潤の最大化するかを学習する。また、生産者側が価格支配力を持つことで、社会全体での経済厚生が完全競争市場の場合と比べてどうなるか余剰分析を用いて分析する。

第6回 市場の失敗による社会的損失

市場の価格調整メカニズムがうまく働かない状態、すなわち「市場の失敗」について学習する。まず、生産費用が低減する産業における価格調整について学ぶ。次に、市場では取り引きの対象にはならないが、経済主体の効用や利潤に影響を及ぼす経済要因である「外部性」を学習する。次に、民間ではなく公共部門によって生産される公共財の性質について学び、どのように最適な供給水準を決定すればよいかを学ぶ。最後に情報の非対称性が経済主体に及ぼす影響について学ぶ。

第7回 消費者・生産者行動の応用理論

消費者・生産者行動の応用理論である労働供給市場、現在と将来の異時点間の消費選択の問題、期待効用仮説、プロスペクト理論、行動経済学、そしてゲーム理論について学習する。

第8回 国際貿易の理論

リカードの比較優位仮説を始め、それ以降に発見されたヘクシャー=オリーン貿易理論、要素価格均等化の定理、ストルパー=サミュエルソンの定理、リプチンスキーの定理、現代の国際貿易理論について学習する。次に、国際貿易による利益を余剰分析を用いて学ぶ。

第9回 マクロ経済学への第一歩

まず、マクロ経済の意味について学ぶ。次に、国内総生産(GDP)と付加価値の関係について学ぶ。その際、マクロ経済の基本的なデータ、統計、物価水準の見方について学ぶ。そして、GDPを生産、需要、分配(所得)の3つの側面から見たときの性質である三面等価の原則を学ぶ。最後に、マクロ経済学の基礎であるケインズ経済学の有効需要の原理、45度線分析、乗数理論について学習する。

第10回 生産物市場と貨幣市場の均衡

マクロ経済を、生産物市場と貨幣(債券)市場の2つの側面から学ぶ。そして、それぞれの市場の均衡状態を分析する。その際、財市場と貨幣市場は、ともにGDPと利子率の2変数の式によって定式化できることを学ぶ。

第11回 財政政策の効果と実際

まず、前回学んだIS曲線とLM曲線を結び付けて、生産物市場と貨幣市場が同時に均衡する状態を見る方法であるIS/LMモデル分析を学ぶ。そして、それを用いて、財政政策の効果、現実の財政政策ついて学習する。

第12回 金融政策の効果と実際

まず、日本銀行(中央銀行)による金融政策の目的と手段について学習する。次に、前回学んだIS-LMモデルを用いて、金融政策の効果を分析する。さらに、現実の金融政策を観察し、そこでの政策の意義や効果をどのように理論的に説明することが可能かを学習していく。

第13回 雇用水準と物価水準の決まり方

古典派とケインズでは労働市場(名目賃金の硬直性)のとらえ方が異なることを学習する。そして、その違いによって、総需要(AD)と総供給(AS)で決まる均衡GDPの意味が違ってくること、そして、経済政策の効果が両者で全く異なってしまうことを学ぶ。また、両者の違いは、失業とインフレ率の見方においても見られることを学ぶ。

第14回 マクロ経済学のミクロ的基礎

マクロ経済学のミクロ的基礎について学ぶ。ここまではケインズの消費理論、投資理論に基づいてマクロ経済の消費と投資が構成されると考えてきたが、本節では、ケインズ以外のさまざまな消費理論、投資理論を学習していく。

第15回 国際収支と為替レート理論

外国との経済活動の記録である国際収支について学習する。そして、国際間での経済取引で重要となる「為替レート」について学ぶ。