大手前大学 通信教育部(通信制大学)の産業・組織心理学

産業・組織心理学

※下記の科目詳細は2018年度開講科目です。

基本情報

単位数 2単位 授業方法 通信授業

授業内容

 この講義では、組織の中で働く人間の行動や心理について考えます。キャリア、リーダーシップ、モチベーションといったテーマに関する既存の理論を紹介し、そうした理論を通じて実際の社会で起こっている問題について考えていきます。

 理論・視点を丸暗記するのではなく、組織の中で起こっていることについて「考える力」を身につけることをめざします。

科目情報

学習内容 概要

第1回 イントロダクション

「産業・組織心理学」とはどのような学問か、どのような歴史的背景の中で研究が蓄積され、今日この学問を学ぶ意義はどこにあるのか、ということについて理解することを目指す。

第2回 人のやる気について考える①:モティベーションの3系統

第2回から第4回までは、モティベーション理論を紹介し、人のやる気について考える。第2回では、モティベーション理論の体系について理解し、その全体像を把握することを目指す。

第3回 人のやる気について考える②:緊張系のモティベーション

何かが欠乏していたり、まだ達成していない課題を自覚したりするとき、私たちはそうした緊張状態を解消しようとして心理的エネルギーを生じさせる。第3回は、このようなマイナスのエネルギーに基づくやる気について考察し、こうした側面のやる気が実は私たちにとって必要不可欠であることを理解することを目指す。

第4回 人のやる気について考える③:希望系のモティベーション

人はマイナスのエネルギーによってだけでなく、積極的な夢、希望、目標、憧れ、自己実現,楽しみなどによっても心理的エネルギーを発生させる。第3回の講義内容と合わせて、私たちのやる気が単一の理論では必ずしも説明できないことを理解することを目指す。

第5回 仕事人生について考える①:キャリアとは何か

私たちは「今日は頑張った」「最近やる気がない」といった短期的な視点だけでなく、長い仕事人生をどう過ごすか」「10年後に私は何をしているだろうか」といった長期的な視点を持つ必要がある。第5回から第8回では、長期的な仕事人生について考える。第5回では、キャリアとモティベーションの違いを説明したうえで、キャリアに関する理論が大きく分けて3つの系統に分類できることを説明する。自分自身の仕事人生について考える際、キャリアという視点がいかなる意味で有効なのかということを理解することを目指す。

第6回 仕事人生について考える②:ジグソーパズルとしてのキャリア

第6回はキャリアに関する3系統の理論のうち、ジグソーパズルとしてのキャリアと呼ばれるものについて説明する。個人の特性や能力と様々な仕事に必要な特性や能力をいかにマッチングさせるか、ということについて理解することを目指す。

第7回 仕事人生ついて考える③:階段としてのキャリア

私たち人間の成長は、成人とともに終わるのではなく、生涯にわたって続く。年齢を重ねるごとに私たち乗り越えるべき課題が現われ、それを克服することよって少しずつ成長していくことができる。 第7回は、仕事人生の発達的な側面について理解することを目指す。

第8回 仕事人生について考える④:旅としてのキャリア

私たちの仕事人生は、あらかじめ決められたルートを進んでいくとは限らない。仕事人生は、時として山や谷を越えたり河を渡ったりする旅のように予測のできないものだ。第8回では、仕事人生の偶発的で予測不可能な側面、それらに対処する方法について理解する。

第9回 集団について考える①:集団の功罪

私たちは、個人の限界を克服するために、物事に集団で取り組む。ただし,集団で物事に取り組むことによって、それを個人で行っているときには起こらないような問題点も発生する。第9回から第11回までは、こうした集団の功罪について考えていく。第9回では、集団の功罪について概観する。

第10回 集団について考える②:集団による課題達成

集団の物事に取り組むことが必ずしも優れた結果を生むとは限らないということを、欧米の実証研究を紹介しつつ説明する。どのような場面で、集団は非効率になるのか。それはなぜか。こうした点について理解することを目指す。

第11回 集団について考える③:集団とリーダーシップ

集団は時として非効率になるが、それは効果的なリーダーシップによってある程度解消できる。第11回は、集団とリーダーシップのかかわりについて理解することを目指す。

第12回 リーダーシップについて考える①:リーダーシップとは何か

リーダーシップとは何か。リーダーシップとは一体どこにあるのか。こうした素朴な問題について考えた上で、リーダーシップの定義を行う。さらに、リーダーシップ理論には大きく分けて2つの系統があることを説明する。私たちが普段何気なく使っているリーダーシップとは、一体どのような現象なのかということについて理解することを目指す。

第13回 リーダーシップについて考える②:特性理論と行動理論

第13回では、リーダーシップ理論の古典的な2つの系統について説明する。リーダーシップとは人が生まれつき備わった資質・能力であると主張する特性理論と、リーダーシップとは誰もが経験や学習を通じて獲得する行動パターンだと考える行動理論とを紹介する。おなじリーダーシップという言葉をめぐって様々な視点が存在すること、それらはそれぞれに正しいが、どちらも完全ではないということを理解することを目指す。

第14回 リーダーシップについて考える③:新しいリーダーシップ理論

今日のような変化の激しい時代においては、古典的なリーダーシップ理論のようなリーダー像とは異なった種類のリーダーが求められる。第14回では、今日の産業組織にとって必要な、新たなリーダーシップのあり方について考える。リーダーシップという現象には、唯一最善のものなどなく、その時代や状況によって優れたリーダーシップが異なるということを理解することを目指す。

第15回 人と人とのつながりについて

第15回では、人と人とのつながりについて科学的に考える。「人脈が大事だ」とよく言われるが、とにかく知人を多く作ればそれでよいのか。人から人への「口コミ」による情報は、なぜあれほど早くしかも広範囲に広がっていくのか。こうした人と人とのつながりに関する素朴な問題を、科学的に理解することを目指す。