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認定看護師とは?資格取得から役割まで詳しく解説
※2024年10月30日現在の内容です
認定看護師とは?資格取得から役割まで詳しく解説
専門性を高めた看護のエキスパートをめざす場合、選択肢の一つとして挙げられるのが「認定看護師」です。認定看護師となるまでの道は楽ではありませんが、認定看護師になれば、特定分野の専門家として活躍の幅は格段に広がります。
ここでは、「そもそも認定看護師とは何か」といった基本的なところから資格取得をめざす場合の注意点、「専門看護師とどう違うのか」「資格取得でどんなメリットが得られるのか」「どうしたら認定看護師になれるのか」といった疑問にお答えしていきます。
認定看護師とは?
認定看護師は、高度化し専門分化が進む医療の現場において、水準の高い看護を実践できると認められた看護師です。
「認定看護分野」ごとに日本看護協会が認定しています。英語ではCertified Nurse(CN)と表記します。
認定看護師の3つの役割
日本看護協会では、認定看護師が果たす役割について、以下の3項目を挙げています。
- 個人、家族及び集団に対して、高い臨床推論力と病態判断力に基づき、熟練した看護技術及び知識を用いて水準の高い看護を実践する。(実践)
- 看護実践を通して看護職に対し指導を行う。(指導)
- 看護職等に対しコンサルテーションを行う。(相談)
参照:『認定看護師』(日本看護協会・https://www.nurse.or.jp/nursing/qualification/vision/cn/index.html)
認定看護師は、看護のスペシャリストとして現場での看護を実践して手本を示すだけでなく、後輩を指導したり、相談に乗ったりする役割が求められています。リーダー役としての資質が求められますが、周囲に大きな影響力を与える存在として活躍することができるでしょう。
専門看護師との違い
認定看護と専門看護師では求められる役割が違います。まず認定看護師は、「現場での実践」に重きが置かれており、職場において専門的な看護技術・知識を活かし、指導や相談などにも対応できる「お手本」となることが期待されています。
専門看護師は、看護の実践以外にも関係施設や地域との調整役、教育や研究などの役割が期待されており、対象とする分野全体での看護の質を向上する役割が求められます。
認定看護師は「専門分野の最前線で活躍する看護のスペシャリスト」、専門看護師は「病院全体や地域と協働してより良い看護の仕組みづくりを行うコーディネーター」とイメージすると良いでしょう。
認定看護分野の種類一覧
認定看護分野とは、保健・医療や福祉の現場において、高いレベルの看護技術・知識を必要とする看護分野として、日本看護協会が定めたものです。現在はA課程(21分野)と、2021年度から認定審査が開始したB課程(19分野)があります。
A課程認定看護分野一覧(21分野)2026年度を持って終了
認定看護師制度は2020年度から、特定行為研修を組み込んだ新制度(B課程)に移行し、従来(A課程)の21分野から19分野に再編されました。
従来の認定教育は2026年度に終了し、認定審査は2029年度に終了します。A課程看護認定分野は以下の通りです。
分野名 | 必要な知識と技術(一部) |
---|---|
救急看護 | 救急医療現場における病態に応じた迅速な救命技術、トリアージの実施
災害時における急性期の医療ニーズに対するケア 危機状況にある患者・家族への早期的介入および支援 |
皮膚・排泄ケア | 褥瘡などの創傷管理およびストーマ、失禁等の排泄管理
患者・家族の自己管理およびセルフケア支援 |
集中ケア | 生命の危機状態にある患者の病態変化を予測した重篤化の予防
廃用症候群などの二次的合併症の予防および回復のための早期リハビリテーションの実施 |
緩和ケア | 疼痛、呼吸困難、全身倦怠感、浮腫などの苦痛症状の緩和
患者・家族への喪失と悲嘆のケア |
がん化学療法看護 | がん化学療法薬の安全な取り扱いと適切な投与管理
副作用症状の緩和およびセルフケア支援 |
がん性疼痛看護 | 痛みの総合的な評価と個別的ケア
薬剤の適切な使用および疼痛緩和 |
訪問看護 | 在宅療養者の主体性を尊重したセルフケア支援およびケースマネジメント看護技術の提供と管理 |
感染管理 | 医療関連感染サーベイランスの実践
施設の状況の評価と感染予防・管理システムの構築 |
糖尿病看護 | 血糖パターンマネジメント、フットケア等の疾病管理および療養生活支援 |
不妊症看護 | 生殖医療を受けるカップルへの必要な情報提供および自己決定の支援 |
新生児集中ケア | ハイリスク新生児の病態変化を予測した重篤化の予防
生理学的安定と発育促進のためのケアおよび親子関係形成のための支援 |
透析看護 | 安全かつ安楽な透析治療の管理
長期療養生活におけるセルフケア支援および自己決定の支援 |
手術看護 | 手術侵襲を最小限にし、二次的合併症を予防するための安全管理(体温・体位管理、手術機材・機器の適切な管理等)
周手術期(術前・中・後)における継続看護の実践 |
乳がん看護 | 集学的治療を受ける患者のセルフケアおよび自己決定の支援
ボディイメージの変容による心理・社会的問題に対する支援 |
摂食・嚥下障害看護 | 摂食・嚥下機能の評価および誤嚥性肺炎、窒息、栄養低下、脱水の予防
適切かつ安全な摂食・嚥下訓練の選択および実施 |
小児救急看護 | 救急時の子どもの病態に応じた迅速な救命技術、トリアージの実施
育児不安、虐待への対応と子どもと親の権利擁護 |
認知症看護 | 認知症の各期に応じた療養環境の調整およびケア体制の構築
行動心理症状の緩和・予防 |
脳卒中リハビリテーション看護 | 脳卒中患者の重篤化を予防するためのモニタリングとケア
活動性維持・促進のための早期リハビリテーション 急性期・回復期・維持期における生活再構築のための機能回復支援 |
がん放射線療法看護 | がん放射線治療に伴う副作用症状の予防、緩和およびセルフケア支援
安全・安楽な治療環境の提供 |
慢性呼吸器疾患看護 | 安定期、増悪期、終末期の各病期に応じた呼吸器機能の評価及び呼吸管理
呼吸機能維持・向上のための呼吸リハビリテーションの実施 急性増悪予防のためのセルフケア支援 |
慢性心不全看護 | 安定期、増悪期、終末期の各病期に応じた生活調整及びセルフケア支援
心不全増悪因子の評価およびモニタリング |
参照:『認定看護師』(日本看護協会・https://www.nurse.or.jp/nursing/qualification/vision/cn/index.html)
B課程認定看護分野一覧(19分野)2020年度から教育開始
B課程は2020年度から教育が開始され、2021年度から認定審査が始まった新たな課程です。B課程看護認定分野は以下の通りです。
分野名 | 必要な知識と技術(一部) |
---|---|
感染管理 | 医療関連感染の予防・管理システムの構築
医療管理感染の予防・管理に関する科学的根拠の評価とケア改善 医療関連感染サーベイランスの立案・実施・評価 身体的所見から病態を判断し、感染兆候がある者に対する薬剤の臨時投与ができる知識・技術 |
がん放射線療法看護 | 放射線治療を受ける対象の身体的・心理的・社会的アセスメント
再現性確保のための支援 急性期及び晩期有害事象に対する症状マネジメントとセルフケア支援 医療被曝を最小限にするための放射線防護策、安全管理技術 |
がん薬物療法看護 | がん薬物療法の適正な投与管理とリスクマネジメント、暴露対策
がん薬物療法に伴う症状緩和 自宅での治療管理や有害事象に対応するための個別的な患者教育 患者・家族の意思決定支援と療養生活支援 |
緩和ケア | 痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題のアセスメント
全人的問題を緩和し、QOLを向上するための症状マネジメント 家族の喪失や悲嘆への対応 |
クリティカルケア | 急性かつ重篤な患者の重篤化回避と合併症予防に向けた全身管理
安全・安楽に配慮した早期回復支援 身体所見から病態を判断し、侵襲的陽圧換気・非侵襲的陽圧換気の設定の変更、人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整、人工呼吸器からの離脱ができる知識・技術 身体所見から病態を判断し、持続点滴中の薬剤(カテコラミン、ナトリウム、カリウム又はクロール、降圧剤、糖質輸液又は電解質輸液、利尿剤)の投与量の調整を安全・確実にできる知識・技術 |
呼吸器疾患看護 | 呼吸症状のモニタリングと評価、重症化予防
療養生活行動支援及び地域へつなぐための生活調整 症状緩和のためのマネジメント 身体所見を病態判断し、侵襲的陽圧換気・非侵襲的陽圧換気の設定の変更、人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整、人工呼吸器からの離脱ができる知識・技術 |
在宅ケア | 生活の場におけるQOLの維持・向上とセルフケア支援
対象を取り巻くケアシステムの課題に対する解決策の提案 生活に焦点をあてた在宅療養移行支援及び多職種との調整・協働 意思決定支援とQOLを高めるエンド・オブ・ライフケア 身体所見から病態を判断し、気管カニューレの交換が安全にできる知識・技術 身体所見から病態を判断し、胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換が安全にできる知識・技術 身体所見から病態を判断し、褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去が安全にできる知識・技術 |
手術看護 | 手術侵襲及びそれによって引き起こされる苦痛を最小限に留めるためのケア
手術中の患者の急変及び緊急事態への迅速な対応 患者及び家族の権利擁護と意思決定支援 身体所見から病態を判断し、経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整ができる知識・技術 身体所見から病態を判断し、侵襲的陽圧換気の設定の変更、人工呼吸器からの離脱ができる知識・技術 身体所見から病態を判断し、直接動脈穿刺法による採血、橈骨動脈ラインの確保ができる知識・技術 身体所見から病態を判断し、硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整ができる知識・技術 身体所見から病態を判断し、持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整ができる知識・技術 |
小児プライマリケア | 重篤な状態にある児もしくは医療的ケア児に対する重症化予防
外来及び地域等のプライマリケアの場におけるトリアージ 家族の家庭看護力・育児力向上に向けたホームケア指導 不適切な養育または虐待の予防、早期発見と、子どもの事故防止 身体所見及び気管カニューレの状態を病態判断し、気管カニューレの交換が行える知識・技術 |
新生児集中ケア | ハイリスク新生児の急性期の全身管理
障害なき成育のための個別ケア ハイリスク新生児と親への家族形成支援 不適切な養育または虐待のハイリスク状態の予測と予防 身体所見及び気管カニューレの状態を病態判断し、気管カニューレの交換が行える知識・技術 |
心不全看護 | 心不全症状のモニタリングと評価、重症化予防
療養生活行動支援及び地域へつなぐための生活調整 症状緩和のためのマネジメント 身体所見から病態を判断し、持続点滴中の薬剤(カテコラミン、ナトリウム、カリウム又はクロール、降圧剤、糖質輸液又は電解質輸液、利尿剤)の投与量の調整を安全・確実にできる知識・技術 |
腎不全看護 | 疾病の進展予防、合併症の早期発見と症状マネジメント、セルフケア支援
腎代替療法の選択・変更・中止にかかわる自己決定に向けた支援 透析療法における至適透析の実現に向けた支援 急性血液浄化療法における血液透析器又は血液透析濾過器の操作及び管理を安全・確実にできる知識・技術 |
生殖看護 | 性と生殖の機能、その障害とリスク因子に関する知識に基づく妊孕性の評価
性と生殖の健康課題に対する、多様な選択における意思決定支援 患者・家族の検査期・治療期・終結期の安全・安楽・納得を守る看護実践とケア調整 妊孕性温存及び受胎調節に関する指導 |
摂食嚥下障害看護 | 摂食嚥下機能とその障害の評価
摂食嚥下機能の評価結果に基づく適切な援助・訓練方法の選択 誤嚥性肺炎、窒息、栄養低下、脱水の増悪防止に向けたリスク管理 |
糖尿病看護 | 血糖パターンマネジメント
病期に応じた透析予防、療養生活支援 予防的フットケア 身体所見から病態を判断し、インスリンの投与量の調整ができる知識・技術 |
乳がん看護 | 術後合併症予防及び緩和のための周手術期ケアと意思決定支援
ライフサイクルの課題を踏まえた、治療に伴う女性性と家族支援 乳房自己検診、リンパ浮腫等の乳がん治療関連合併症の予防・管理 身体所見から病態を判断し、創部ドレーンの抜去ができる知識・技術 |
認知症看護 | 認知症の症状マネジメント及び生活・療養環境の調整
認知症の病期に応じたコミュニケーション手段の提案と意思決定支援 家族への心理的・社会的支援 身体所見から病態を判断し、抗けいれん剤、抗精神病薬及び抗不安薬の臨時の投与ができる知識・技術 |
脳卒中看護 | 重篤化回避のためのモニタリングとケア
早期離床と生活の再構築に向けた支援 在宅での生活を視野に入れたケアマネジメントと意思決定支援 身体所見から病態を判断し、抗けいれん剤、抗精神病薬及び抗不安薬の臨時の投与ができる知識・技術 |
皮膚・排泄ケア | 褥瘡のトータルマネジメント
管理困難なストーマや皮膚障害を伴うストーマケア 専門的な排泄管理とスキンケア 脆弱皮膚を有する個人・リスクがある個人の専門的なスキンケア 地域包括ケアシステムを視野に入れた同行訪問実施とマネジメント 身体所見から病態を判断し、褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去及び創傷に対する陰圧閉鎖療法ができる知識・技術 |
参照:『認定看護師』(日本看護協会・https://www.nurse.or.jp/nursing/qualification/vision/cn/index.html)
A課程とB課程の違い
日本看護協会は、医療提供体制の変化や将来のニーズへ対応し、より水準の高い看護実践ができる認定看護師を社会に送り出すため、2019年2月に認定看護師規程を改正しました。
この制度改正によって「制度の目的」や「認定看護師の役割」の定義が一部変更されたほか、B課程認定看護師教育の開始と、認定看護分野の再編が行われました。
認定看護師B課程認定看護分野は、A課程認定看護分野を基として、分野の統合と分野名の変更がなされています。
分野統合されたもの
- 「救急看護」+「集中ケア」⇒「クリティカルケア」
- 「緩和ケア」+「がん性疼痛看護」⇒「緩和ケア」
分野名が変更になったもの
- 「がん化学療法看護」⇒「がん薬物治療法看護」
- 「訪問看護」⇒「在宅ケア」
- 「不妊症看護」⇒「生殖看護」
- 「透析看護」⇒「腎不全看護」
- 「摂食・嚥下障害看護」⇒「摂食嚥下障害看護」
- 「小児救急看護」⇒「小児プライマリケア」
- 「脳卒中リハビリテーション看護」⇒「脳卒中看護」
- 「慢性呼吸器疾患看護」⇒「呼吸器疾患看護」
- 「慢性心不全看護」⇒「心不全看護」
参照:『認定看護師』(日本看護協会・https://www.nurse.or.jp/nursing/qualification/vision/cn/index.html)
A課程とB課程では教育を受けられる認定機関も異なっています。また、B課程は受講時間数が長く設定されており、特定行為研修が組み込まれているのが大きな特長です。資格取得をめざす場合は、注意しましょう。
資格取得のメリット
資格を取得して認定看護師になることで、収入や働き方、仕事内容などはどのように変わるのでしょうか。ここでは資格取得で得られるメリットについて解説していきます。
収入
日本看護協会が2022年に実施した調査によると、認定看護師に対して資格手当を実施すると回答している医療機関は41.2%で、専門看護師の34.1%よりも多くなっています。
また、「毎月支払われる」場合の平均支給額は、8,530円となっています。
十分に評価されているとは言い難い状況ではありますが、資格手当の代わりに昇給や昇進などの待遇を用意している機関もあるため、職場に確認してみると良いでしょう。
参照:『2022年度専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査』(日本看護協会・https://www.nurse.or.jp/nursing/home/publication/pdf/report/2022/cn_a_asntre_report.pdf)
待遇
上記の調査報告によれば、認定看護師の93.2%は「正規雇用職員」として働いています。
また、勤務先として最も多いのは「病院」で89.9%、そのうち500床以上の病院に勤務している看護師は34.6%、次いで300~399床以下が17.6%、400~499床以下が16.8%です。職位は管理職が5.7%、中間管理職が54.5%で両方を合わせると60.2%となっています。
つまり認定看護師の多くは大病院に勤務しており、そのうちの6割が管理職として働いているということになります。大きな病院ほど認定看護師への評価が高く、キャリアアップしやすい傾向にあると言えるでしょう。
参照:『2022年度専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査』(日本看護協会・https://www.nurse.or.jp/nursing/home/publication/pdf/report/2022/cn_a_asntre_report.pdf)
働き方
病院で働く専門看護師のうち、主な所属先は病棟が35.0%、外来が18.6%、看護管理部・室が14.1%となっています。専門性を活かせる部署でのリーダー役としての役割が期待されている表れと言えます。
研修会への参加や職員への教育指導なども大切な役割で、職場によっては管理部門の専従勤務などもあり、夜勤回数が減ることもあります。
夜勤業務が減り、生活リズムが整いやすくなるというのは大きなメリットと言えるでしょう。
参照:『2022年度専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査』(日本看護協会・https://www.nurse.or.jp/nursing/home/publication/pdf/report/2022/cn_a_asntre_report.pdf)
転職や再就職が有利に
認定看護師が持つ高度な看護実践力やリーダーシップは多くの医療機関が必要とするものです。
転職時や、復職時にも資格が有利に働く可能性は高いと言えるでしょう。転職・復職により、より良い待遇を期待することもできます。
認定看護師になるには?
認定看護審査を受けるためには、通算5年以上(うち3年は認定看護分野)の実務経験をもち、さらに専門分野に応じた認定看護師教育機関で所定の課程と特定行為研修を修了する必要があります。
資格取得にかかる費用
認定看護師教育機関に掛かる費用は、入学金や授業料、実習費用などを含めて100万円程度がおおよその目安となります。
また認定看護師認定審査に掛かる費用は審査料と合格後に支払う認定料を合わせて約10万円です。
職場によっては認定看護師取得支援制度などを設けている場合がありますが、支援の内容はさまざまです。支援が受けられない場合は退職し、全額自己負担で賄わなければなりません。
職場の支援制度を確認し、しっかりと資金計画や復職計画を立てておきましょう。
資格取得までのスケジュール
認定看護師教育機関での課程を修了したら、いよいよ認定看護師となるための認定審査を受けます。認定看護師の認定審査は年1回ですので、しっかりスケジュールを確認しましょう。
認定審査のスケジュール(2024年度)
7月 | 申請(審査料振込、審査書類の提出など) |
---|---|
10月 | 筆記試験 |
12月 | 筆記試験の合否発表 |
翌年2月 | 認定証交付 |
詳細な日程については実施年度ごとに変更となりますので、日本看護協会にて確認してください。また、取得認定後は5年ごとに書類による認定更新審査があります。忘れずに更新してください。
参照:『2024年第32回認定看護師認定の手引き』(日本看護協会・https://www.nurse.or.jp/nursing/assets/qv_cn_tebiki_32th_2024.pdf)
まずは看護師をしながら大学に通うという選択肢も
認定看護師教育機関に入学するためには、まず入学試験に合格する必要があります。下準備として基礎からしっかりと学びなおしたい人には、大学が開講している通信教育を活用するのがおすすめです。
通信教育であればスキマ時間を利用して効率的に学びを進めることができ、学位取得も可能です。
学費だけでなく、カリキュラムの制度や開講科目、学修サポートなどのポイントを確認して、自分に合った大学を選びましょう。
大手前大学 通信教育部で看護の専門知識を学ぶ
大手前大学 通信教育部では、「基礎から学びなおしたい」「専門性を高めたい」看護師に向けた専門課程を開講しています。最短1年で「学士(学術)」の学位も取得可能。
さらに独自の「看護学プログラム」を活用すれば、「学士(看護学)」の学位取得をめざすこともできます。
また看護師として働く方に向けてキャリアップにも活かせる看護学分野の専門科目を数多く開講しており、将来の志望分野に向けて専門的な学びを深めることができます。
大手前大学 通信教育部で開講している専門科目
社会のグローバル化に対応した看護師をめざすための「国際看護学」や、高齢化社会でニーズが高まる「家族看護学」、災害医療や災害看護を学び防災・減災対策をめざす「災害看護学」など、時代や社会の変化に対応した専門科目を開講しています。
国際看護学
グローバル化が進む世界の保健医療の実態と多様性について学びます。
看護と東洋の知恵
漢方医学を中心とした授業で、東洋の医学における看護の役割について理解を深めます。
多文化社会と医療
国内外の事例などから実践的な知識を学び、多文化社会での医療を考えます。
看護と人間の生涯発達
看護職者として、対象者の発達段階をふまえ、“生涯発達”の視点で多角的·長期的な思考力を養います。
歯科保健と看護
口腔保健の基礎や、ライフステージごとの歯科保健と口腔ケアの知識を学び、看護ケアにおける実践力を養います。
看護栄養学
ライフステージごとの健康増進と生活習慣病や疾病の重症化を予防する食支援を学び、看護ケアにおいて実践できることをめざします。
性(セクシュアリティ)と看護
Sexual and Reproductive Health/Rights(SRHR)について理解し、多様な人間理解に基づいた看護実践をめざします。
家族看護学
家族看護の基本的な考え方と家族看護理論、家族看護過程について体系的に学びます。
災害看護学
災害医療·災害看護の実践、備えの必要性を理解し、各自で防災·減災対策の備えができることをめざします。
看護イノベーション学
多様化する社会の健康課題について看護業界のイノベーターからさまざまな実践を学びます。
人間関係の小児看護論
家庭や医療、教育など、こどもと関わるさまざまな分野において、看護職として今、どのようなケアが必要なのか考えます。
美容医療と看護
基本的概念や歴史、変遷を学び、美の多様性について考察するなど、新しい美容医療とその看護における価値の創造をめざします。
大手前大学 通信教育部で学ぶメリット
大手前大学 通信教育部は授業も試験も、オンラインで完結しているため、通学なしで卒業することができます。学修計画も年4回変更できるので、異動などがあってもムリなく学びを継続することができます。
また、学歴に応じた多様な入学区分があるのも特長です。
専任教員と専任アドバイザーが学修をサポートしており、学修面の疑問点だけでなく、学修計画の相談などにも対応いたします。
その後のキャリア展開
大手前大学 通信教育部では、最短6日のスクーリングで認定心理士の資格取得が可能。認定心理士の資格は看護業務にも役立つため、キャリアアップ目的で受講される方も多数在籍しています。
また、日本語教員養成課程の修了をめざすこともでき、キャリアアップに向けた新たな選択肢を得ることができます。
「学士(看護学)」の学位を取得すれば、認定看護師や専門看護師、認定看護管理者などの資格取得に向けた道も開けます。