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通信制大学の卒業率が低い理由は?卒業するためのポイントを解説
※2024年10月30日現在の内容です
通信制大学への入学を検討するとき、まず気になるのは「卒業できるのかどうか」ではないでしょうか。
実際のところ、通学制の大学よりも通信制の大学のほうが卒業率は低い傾向にあります。
その理由は、通信制では社会人として働きながら学んだり、育児や介護をしながら学ぶ人も多いからです。
また、退職後にじっくりと時間をかけて学びたい人もいて、一概に卒業率の数字だけでは見えない背景があります。
しかし、どんな生活環境であっても、4年間できっちり単位や資格を取って卒業する人もいます。
また、卒業しやすいカリキュラムが組まれていたり、手厚いサポートがあることが理由で、学生が勉強しやすく、卒業率が高い大学もあります。
ここでは、せっかく入学した通信制大学を無事に卒業するために必要なポイントを解説します。
通信制大学の卒業率は低い?
通信制大学の卒業率は約15%とも言われており、かなり低いのが現実です。
その理由の一つは、通信制大学へは、基本的に必要書類を提出するだけで入学できることが多く、通学制の大学に比べて入学しやすいということがあるでしょう。
簡単に入学できるがゆえに、その後のモチベーションが続かないことが考えられます。
また、通学制では授業に出席することも単位取得につながることがあるのに、通信制ではほとんどの場合が試験を重視しており、いわゆる「出席点」というものがないことも理由として挙げられます。
もう一つ、大きな理由は、大学以外に仕事や育児、介護などに時間を必要とする人が多いこと。これまでの生活に加えて、時間を作る必要があるからです。
最短年数(1年次入学の場合は4年、3年次編入学の場合は2年)で卒業をめざすのは、スケジュール的に難しい面もあることでしょう。
しかし、学ぶ目標が何なのかを明確にしたり、学ぶ意欲を維持し続けたり、学習時間を確保するなど、事前の準備と心構え次第で、卒業しやすくなる方法はあります。
まずは卒業率が低くなってしまう理由を突き止め、それらの克服方法について考えてみましょう。
卒業率が低い理由
通信制では、一人での学習が基本です。一人だと自分のペースで勉強できるというメリットがある半面、自身の計画通りに勉強を進めたり、モチベーションの維持が難しくなることもあります。
また、仕事や家事と両立しなければならないために、スクーリングに参加する時間を調整するのが困難になることも。
これら3つのポイントについて、対策を見ていきましょう。
無理な学習計画を立てている
入学前はやる気が十分なので、欲張りすぎて無理な計画を立ててしまいがちなものです。
事前に学習計画を詰め込みすぎても、計画通りにはいかないこともあるので、できるだけ余裕をもって計画を立て、目標に向かって少しずつ進んでいきましょう。
また、途中で仕事や家庭の状況の変化により、うまく進まない場合もあります。
「計画通りにいかないのは当たり前のこと」と、心の余裕を持つことも、目標を達成するためには大切なことです。
また、学習計画の相談に乗ってくれたり、途中で計画の変更に対応してくれる学校もありますので、そうしたサポート面も学校選びの際に確認しておくと良いでしょう。
モチベーションが維持できない・上がらない
通信制大学では一人で自由に勉強を進められる代わりに、モチベーションを維持し続けることが難しい面があります。
また、通信制大学には仕事や家事、育児、介護をしながら学んでいる人も多く、勉強以外のことに時間を取られて、スケジュール通りに進まないことが原因でモチベーションが下がることもあるでしょう。
そこで、おすすめはオンライン授業などを取り入れている大学を選ぶこと。
資料を参照しながら課題やレポートにコツコツ取り組むだけでなく、双方向コミュニケーションの時間があれば、先生や同級生と会話もできて刺激となり、モチベーション維持に役立ちます。
スクーリングの調整が難しい
通信制大学には、スクーリングという対面式の授業があり、卒業には30単位以上の取得が必要とされています。
大学や学部にもよりますが、スクーリングは授業の終わりに試験を受ければ単位を取れるので、通常の科目に比べて単位が取りやすい傾向にあります。
スクーリングは大学や指定された会場で行われるのが一般的で、夏季休暇や週末などのまとまった期間に行われることが多く、前述のように仕事や家事に従事していたり、大学から遠い場所に住んでいる人は、年に数日通うことさえ難しい場合もあるかもしれません。日程調整が難しいと感じる場合は、大学などのほかにも全国の都市でスクーリングを開催している大学や、日程をある程度自由に決められる大学を選ぶとよいでしょう。
また、最近ではスクーリングを必要としない大学もあります。事前に、よく調べてみましょう。
通信制大学を卒業するためのポイント
通信制大学を卒業するためには、学ぶ内容をはじめ、学費、学ぶ環境、自分のライフスタイルと合っているかどうかなど、事前にチェックしておきたいことがたくさんあります。
卒業率は気になるところですが、通信制大学の卒業率は、大学によって算出方法が異なるので、卒業率が高いからといって卒業しやすいというわけでもありません。
卒業率よりも大切なのは、余裕を持った学びのスケジュールを立てることや、サポートを活用すること、更には通信大学の選び方です。
余裕を持った学修計画を立てる
学習計画を立てることは、通信大学で学ぶうえで最も大切なことです。
まずは、卒業までに必要な単位について把握しましょう。大まかには次の3ステップです。
スジュールができ上がったら定期的に見直し、細かく再調整をしながら学びを進めるのが、目的を着実に達成できるコツです。
通信制大学では、テキストが届き次第、学び始めることができます。
出願時期が早ければ、入学許可も早く下り、それだけ早く学ぶことができるので、入学を考えている人は、早めに出願して余裕を持ってスケジュールを考えることができます。
1.何年で卒業するのかを決める
1年次入学では最短4年、3年次編入では最短2年で卒業できます。
仕事や家庭との両立も考え合わせて、何年で卒業をするのかをまず決めます。
その上で、年に何単位修得すればよいのかを把握します。
2.スクーリングの日程を把握する
何年で卒業するのか決まったら、スクーリングの日程を把握し、スケジュール帳に記入します。
場所が遠方の場合や、仕事などの調整が必要な場合もあるので、早めに把握しておくとよいでしょう。
3.スケジュールを逆算して余裕を持った計画を立てる
通信制大学では、教材で学んだことをレポート提出すると、単位認定試験の受験資格が得られます。
そこで、週にどれぐらいの時間を勉強に充てられるのかを算出し、月に何教科のレポートを出せるのかを逆算しましょう。
計画を立てても、レポートの返却に思っていたよりも時間がかかったりと、計画通りにはいかないこともあります。
スケジュールにはできるだけ余裕を持たせましょう。
サポートを活用する
通信制大学では一人で学ぶことが多いのですが、学ぶ上での不安や疑問などがある場合は、サポート制度を上手く活用するとよいでしょう。
大学にもよりますが、サポートの内容は、授業・学びに関することから、学生生活に関すること、使用するシステムに関することまで、さまざま。就職サポートや、精神的・身体的疾患のある学生を対象とした修学支援がある大学もあります。
また、大学だけでなく職場や家族からの理解も事前に得ておくことも大切。学びを続けるために、サポートしてもらいやすい環境を作っておきましょう。
学びやすい通信制大学を選ぶ
学びやすい通信制大学には、さまざまな条件があります。
また、「大学卒業資格を取りたい」「仕事や育児と両立したい」など、自分の希望によっても卒業しやすい大学は変わってきます。
以下に、主な条件を挙げていきますので、自分のライフスタイルや志向に合っているかどうか、自分にとって学びやすいのかどうかを考えてみましょう。
スクーリング会場が多い
通信制大学を卒業するには、「面接授業(スクーリング)やメディアを利用して行う授業」の単位を30以上取得しなければなりません。
時間に余裕がない人や地方に住んでいる人にとっては、スクーリング会場へ通いやすいかどうかも、学びやすい大学を選ぶポイントです。
大学でのスクーリングだけでなく、全国に会場を設けて実施している大学であれば、通学の時間や交通費の負担を軽減できるメリットがあります。
スクーリングをオンラインで受けられる
「スクーリングに通う日程をうまく調整できるか心配」「会場まで通う時間や交通費が負担になる」といった人には、オンライン授業をスクーリング授業の単位に代えるシステムを取っている大学もあります。
コロナ禍がきっかけで、オンライン授業も増えた今、スクーリング授業もオンラインでという大学が増えてきました。
対面式のスクーリングには、同じ学びを続ける人と出会ったり、先生と交流することができるなど、モチベーションを高めるメリットもありますが、多忙な人はオンライン授業を上手に活用するとよいでしょう。
自宅で試験が受けられる
一般的に、通信制大学では定期試験に合格すると授業の単位取得が認められます。試験は、大学の教室やその他の試験会場で行われることが多いのですが、オンライン試験を採用している大学もあります。
大学からは遠い場所に住んでいる人や、日々の時間に余裕がない人は、自宅で試験を受けられる大学を検討してみてはいかがでしょう。
単位の取得率が高い
単位の取得率が高いということは、履修した授業の単位を落としにくいということ。
つまり、卒業のための単位を取得しやすいということです。
そのためには、単位取得に必要なレポート・課題の提出や、試験をオンラインで受けられたり、オンデマンドなど一人ひとりに合ったペースで学べたり、学習意欲が継続するように手厚いサポートがある場合もあります。
必修科目が少ない
通信制大学の中には、一人ひとりの目的や興味に合わせて自由に学べるように、必修科目が少ない、または不要という大学があります。
必修科目が少ないということは、それだけ実技科目やレポート提出などの労力がかかる科目は選ばなくても卒業できるということ。
また、自由に興味のある科目を選択できるのは、社会で活躍するためのマルチスキルを身に付けたい人には向いている大学といえるでしょう。
ただし、取得したい資格によっては、特定の科目の履修が必要なこともありますので、事前に調べておきましょう。
すべてオンラインで完結する
通信制大学には、大きく4つの授業形態があります。
教科書を使用して自宅で学習する「テキスト授業」、動画視聴などをインターネットで学習する「メディア授業」、大学や指定された会場で対面授業を行う「スクーリング授業」、そして医療や福祉系など一部の学部で行われる「実習」です。
最近では、eラーングにより、テキスト授業やスクーリング授業も、メディア授業を中心に行い、すべてがオンラインで完結する大学も増えています。
メディア授業は、視覚と聴覚からも情報が入ってくるので、文字だけのテキスト授業よりも理解しやすいという人も多く、一人で学ぶ感覚も薄まるので、学びやすい授業形式と言えるでしょう。
サポートが充実している
通信制大学の中には、SNSや電話、メールなどによる学習のサポートをはじめ、資格取得や就職の相談に応じてくれる大学もあります。
中には、専門のサポートスタッフが付いてくれてアドバイスしてくれる大学も。学び方に不安があったり、もっと学びを深めたい場合には、アカデミックスキルを学べることも。
ほかにも、学生生活のサポートや、キャリアカウンセリングなど、困ったときに相談できるのは心強く、学習を続けやすいので学びやすい環境と言えるでしょう。
大手前大学通信教育部は学びやすい
大手前大学通信教育部には、他の大学には見られない学びやすい仕組みがあります。まず、多様な入学区分を設定しており、例えば、短期大学・専門学校を卒業されている方、大学に1年以上在学して中退した方は、これまでの修得単位を認定し、2〜4年次に編入学できます。4年次に編入すると、最短1年での卒業が可能です。ほかにも、必修科目が定められていないことや、オンライン授業のみで卒業が可能であること、2ヶ月半ごとに計画を組み立てられる「クール制」があること、ビジネスや心理学、情報・ITなど多様な170科目の中から自由に組み合わせられる「全科目完全自由選択制」であること、更に迷ったときは「学修アドバイザー」に相談できることなどです。
自分の目的やペースに合わせられることに加え、しっかりとしたサポートにより安心して学べるので、学びの成果が高いことも、大手前大学通信教育部の大きな特長です。
オンライン授業のみで卒業が可能
大手前大学通信教育部なら、24時間どこでもオンラインで受講できます。例えば、通勤電車の中で前日の復習をしたり、勤務先のお昼休みに動画を視聴したり、帰りの電車で課題を勉強したり、自宅ではWeb試験を受けたり…。
いつでもどこでも、自分のライフスタイルに合わせて学べます。
また、通信制大学にありがちな「指定会場での試験」も一切ありません。
授業から試験まで、すべてオンラインで完結します。
4クールで調整できるため仕事と調整しやすい
大手前大学は、1年間を約2ヶ月半ごとのクール(学修期間)に分け、履修登録や試験をこれに合わせて行うシステムがあります。これにより、仕事の状況によって計画通りに学べなかったり、国内外の社会情勢の変動によって、学びたい科目が変わっても対応できるので安心です。
留年した際も安心の「卒業延長」
正科生が修業年限以内(1年次入学:4年、2~4年次編入学:3~1年)に卒業要件を満たさなかった場合、卒業延長となります。
その際の授業料は年度額5万円となり、これまでの年額32万6千円から、大きく減額されます。