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心理カウンセラーとは?心理カウンセラーになる方法と資格や年収について解説
※2024年10月30日現在の内容です
通信制大学で人気のある学問の一つが、心理学です。心理学に興味を持つ高校生が、通学制の大学とともに選択肢の一つとして考える場合はもちろん、社会人で心理学を学びたい人の場合、通信制大学は働きながら学びやすい点で人気があるのでしょう。
心理学は自身を知り、人を知ることができる学問です。自身のメンタルケアや、日常生活や仕事で他者との人間関係を円滑にするのに役立つので、多くの人が関心を寄せています。また、教育、医療、福祉の分野で活躍する人も、心理系の資格取得を通じて専門知識を得ることで、自身の仕事に役立てたいと考えています。更に、すでにカウンセラーやセラピストとして働く人も、新たな心理系の資格を取得することで相談者のために役立てたり、キャリアアップを図ったりするとき、通信制大学なら学びやすい環境が整っています。
ここからは、心理カウンセラーはどんな仕事なのか、心理カウンセラーになる方法、心理カウンセラーの資格、就職後の年収について解説します。
心理カウンセラーとは
心理カウンセラーとは、心理学の知識を生かし、カウンセリングを行い、不安や悩みを抱える相談者をサポートする仕事です。傾聴や認知行動療法といった心理療法を用いて、相談者の心理面を支援する専門家です。
現代の日本社会では、職場や学校、家庭などで、さまざまな精神負担を感じている人が多く、ストレスマネジメントの必要性が高まっています。精神疾患を抱える患者数も増加の傾向にあります。そのため、精神科や診療科などの医療機関はもとより、教育現場や福祉施設、企業など幅広い分野で心理カウンセラーが求められているのです。
心理カウンセラーには、公認心理師や臨床心理士などの資格が必要だと思っている人も多いかもしれませんが、資格がなくても心理カウンセラーとして活躍することはできます。しかし、職場によっては特定の資格を採用条件としていることもあります。また、知識や経験がまったくなくては、心理カウンセラーとして認められにくく、相談者からの信頼も得にくいので、資格取得は重要と言えるでしょう。
心理カウンセラーになる方法
「心理カウンセラーとは」で説明したように、心理カウンセラーになるには、資格は必須ではありません。心理学の知識やカウンセリングのスキルが身につけば、誰でも心理カウンセラーになることができます。しかし、資格取得をめざして勉強することは、心理学の知識やスキルを深めることにつながります。また、相談者にとっては、資格を持っている心理カウンセラーなら信頼しやすく、安心材料となるでしょう。プロの心理カウンセラーとして活躍するのであれば、できるだけ資格を取得することをおすすめします。
心理カウンセラーの資格の取り方は、大きく分けて二つあります。一つは、大学や大学院で心理系の科目を学び、資格を取得する方法、もう一つは、民間のスクールや通信講座で学び、資格を取得する方法です。
めざす資格によって、どちらの方法を選ぶのかはおのずと決まります。例えば、公認心理師になるためには、公認心理師になるためのカリキュラムがある大学を卒業し、2年以上の実務経験、または大学院を修了後、国家試験に合格しなければなりません。一方、民間のスクールや通信講座で学んで取得できる資格も数多くあります。
公認心理師や臨床心理士、認定心理士の資格を取得するには、大学や大学院で必要な科目を履修する必要がありますが、通信講座で学べる資格には自宅で資格取得を完結できるものもあり、社会人や家事・育児をしている人にも学習しやすい方法です。
ここでは、自分に合った方法を見つけていただくために、心理カウンセラーになるための資格取得の方法を五つ紹介します。
通信教育で取得する
大学や学校に通う必要がなく、自宅で学習を進められる方法です。資格取得のための基本的な手順は、まず取得したい資格の認定講座を受講します。その後、自宅学習でカリキュラムを修了すれば、あとは資格試験を受けて合格すれば資格を取得できます。
在宅で資格試験を受けられる資格もあり、忙しい社会人などにはおすすめの方法です。受講料は数万円から受けられるものが多く、リーズナブルな点もメリットでしょう。
大学・大学院で取得する
大学や大学院で、時間をかけて専門的な知識を習得して、資格を取得する方法です。まず、心理学を学べる大学や大学院を受験して合格する必要があります。入学後は、必要な科目を履修し、受験資格を得て資格試験に合格すると資格を取得できます。
また、認定心理士のように必要な科目を履修すれば、卒業時に資格として認定されるものもあります。大学・大学院の卒業・修了資格は、心理カウンセラーとしてだけでなく、他の職種でも活かすことができるのがメリットでしょう。
短期大学・専門学校で取得する
大学・大学院と比べて短期間で卒業できる短期大学や専門学校に入学して資格を取得する方法もあります。
心理カウンセラーの資格取得のためのカリキュラムを用意している短期大学や専門学校では、授業のほか、実習が充実しているところも多いので、就職活動では即戦力をアピールできる可能性があります。めざす資格のために必要な科目を履修して、資格試験を受けて合格すると資格を取得できます。
資格取得のためのスクールで取得する
特定の資格取得ができるスクールに通学し、資格取得をめざす方法です。対面式の授業で勉強したいという人におすすめです。
まず、希望する資格取得をめざせるスクールを探すことから始めましょう。スクールに通い、知識が身についた後は、資格試験を受けて合格すると、資格を取得できます。スクールによっては、授業時間が限られている場合があり、通える時間帯に制約のある人には難しいかもしれません。また、通信講座に比べて、比較的料金が高めだというデメリットもあります。
独学で取得する
めざす資格について、本や参考書で学習することを基本に、セミナーや講習会に参加し、資格取得をめざす方法です。希望する資格の受験資格について、カリキュラムの受講や、実務経験が必要かなどの条件をよく調べてから、学習を始めましょう。
すでに関連する仕事に就いていて、実務経験の受験資格を満たしながら学習する人には、特に向いている方法です。
大学を卒業することで取得できる心理カウンセラーの資格

心理カウンセラーになるには、大学で学んで資格を取得する方法と、民間資格を取得する方法の二つがあることは、これまでに解説した通りです。
ここでは、大学に通わなければ取得できない国家資格の「公認心理師」と民間資格の「臨床心理士」「認定心理士」について、資格の取得方法、資格取得のための条件、資格試験を受験するための条件、更に就職した場合の年収などについて詳しく解説します。
国家資格の「公認心理師」
心理職の資格は日本に30種類以上あると言われますが、公認心理師は、その中で日本初の国家資格です。
公認心理師の資格は、2017年施行の公認心理師法により定められました。相談者へのカウンセリングを行い、助言や指導をしながら問題の解決を図るのが主な役割です。誕生した背景には、多様化に伴う社会の複雑化があります。児童虐待、学校でのいじめ、自殺、ひきこもり、学校や職場への不適応など、課題は山積みのため、それらの課題を支援・解決へと導ける心理学の知識とスキルを持った人材確保が急務とされてきました。そこで、作られた資格が公認心理師というわけです。
民間資格である臨床心理士との違いを見てみましょう。まず、従来、臨床心理士は臨床心理技術者として診療報酬の加算対象でしたが、2018年度からは公認心理師だけが診療報酬の加算対象となっています。
また、公認心理師は国家資格なので、資格取得のための教育の方法、修得しなければいけない科目、時間数が法律で厳密に定められているのが、臨床心理士と違うところです。
資格の取得方法
毎年1回実施される公認心理師試験に合格することで、公認心理師の資格を取得できます。公認心理師試験はマークシート方式で、午前と午後のそれぞれ120分です。
資格取得の条件・資格試験の受験条件
公認心理師試験を受験するためには条件があります。2024年3月に東京と大阪で実施された第7回公認心理師試験の場合は、経過措置も含み全部で7パターンありました。
注意すべきは、四年制大学の心理学関連の学部を卒業しただけでは受験資格が得られないことです。
学部卒業のために必要な単位を取得した上で、大学院でも必要な単位を取得して修了、または法に定められた認定施設で2年間の実務経験が必要となります。法に定められた認定施設は表の下に記載した通りですが、この限られた数の施設で実習を受けるのは簡単ではないでしょう。実務経験は重視されており、下記パターンAでも大学院では450時間の実習を受けることが義務付けられています。
第7回公認心理師試験を受験した2,089人のうち合格者は1,592人、合格率は 76.2%でした。
出典:厚生労働省「第7回公認心理師国家試験(令和6年3月3日実施)合格発表について」
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パターン | 第7回公認心理師試験 受験対象者となる資格 |
---|---|
A | 四年制大学で定められた科目を履修+大学院にて定められた科目を履修した人 |
B | 四年制大学で定められた科目を履修+定められた認定施設で2年以上の実務経験がある人 |
C | 外国の大学で心理学を履修+外国の日本の大学院で心理に関する科目を履修して修了した人 ※第7回公認心理師試験では、文部科学省及び厚生労働大臣の受験資格認定を受けた人が対象 |
D1 | 2017年9月15日より前に大学院を修了+定められた科目を履修した人 |
D2 | 2017年9月15日より前に大学院に入学+2017年9月15日以後に定められた科目を履修し、大学院を修了した人 |
E | 2017年9月15日より前に大学に入学し定められた科目を履修+2017年9月15日以後に大学院で定められた科目を履修した人 |
F | 2017年9月15日より前に大学に入学し、定められた科目を履修した人+定められた9つの認定施設(注1)で2年以上の実務経験がある人 |
(注1)
- 少年鑑別所及び刑事施設
- 一般財団法人愛成会 弘前愛成会病院
- 裁判所職員総合研修所及び家庭裁判所
- 医療法人社団至空会 メンタルクリニック・ダダ
- 医療法人社団心劇会 さっぽろ駅前クリニック
- 学校法人川崎学園 川崎医科大学附属病院
- 学校法人川崎学園 川崎医科大学総合医療センター
- 社会福祉法人風と虹 筑後いずみ園
- 社会福祉法人楡の会
出典:一般財団法人日本心理研修センター「第7回公認心理師試験 受験の手引き」(受験資格の表は簡略に要約したものです)
就職した場合の年収
厚生労働省の調査によると、2019年度の給与額は下記の通りです。公認心理師は、医療・保健分野から福祉、教育、司法、産業分野まで、さまざまな分野で幅広く活躍しています。働く場所も病院、福祉施設、学校、裁判所、企業など、さまざまなので、収入には幅があります。また、常勤か非常勤かの勤務形態や勤務年数によっても違います。
- 常勤の場合
額面の給与は、月あたり20~100万円未満の幅があります。最も多いのは、20〜25万円未満です。年収は、300〜400万円未満が多く、年収500万円以上は29%、年収1,000万円以上は4.9%です。 - 非常勤の場合
非常勤の公認心理師の時給は1,000円~1万円未満と大きな幅があり、最も多い時給帯は、1,500〜2,500円未満です。年収は、200〜300万円未満が多く、全体の50.6%は年収300万円を下回っています。年収500万円以上は5.2%、年収1,000万円以上は上位0.2%です。非常勤の場合は勤務時間・月の勤務日数が短い場合もあります。出典:一般社団法人 日本公認心理師協会「厚生労働省 令和2年度障害者総合福祉推進事業 公認心理師の活動状況等に関する調査」
民間資格の「臨床心理士」「認定心理士」
次に、心理カウンセラーの民間資格で代表的な臨床心理士と認定心理士について説明します。臨床心理士と認定心理士は、大学や大学院などを卒業して取得できる民間資格です。臨床心理士の資格があると、重症例の相談者にも対応できる心理カウンセラーと認められやすくなり、一方、認定心理士は心理学などの専門的な学問を修了したことを証明できる資格です。二つの資格の取得方法、資格取得の条件、資格試験の受験条件に加え、就職した場合の年収について詳しく解説します。
臨床心理士
臨床心理士は、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格です。1988年に初めて試験が実施され、心理カウンセラーの民間資格の中では知名度が高い資格です。
資格の取得方法
日本臨床心理士資格認定協会の試験を受験し、合格しなければなりません。試験は年に1回実施されます。試験は一次試験と二次試験に分かれ、一次試験が筆記で、二次試験が口述面接試験です。
筆記試験では多肢選択方式の試験と論文記述試験の2種類が行われます。二次試験の受験資格は一次試験の多肢選択方式試験の成績に基づいて判定され、最終的には多肢選択方式試験と論文記述試験、口述面接試験の三つを総合的に判断して合否が決定されます。
出典:公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会「臨床心理士とは」
資格取得の条件・資格試験の受験条件
日本臨床心理士資格認定協会が指定した、臨床心理学に基づく専門のカリキュラムがある大学院を修了し、所定の条件を充足していることが必要です。
就職した場合の年収
臨床心理士の仕事の平均年収は約370万円です。月給で換算すると31万円、初任給は24万円程度が相場のようで、アルバイト・パートや派遣社員では平均時給がそれぞれ1,219円、1,496円となっています。正社員の給料分布を見てみるとボリュームが多いのは321〜390万円。全体の給与幅としては321〜878万円と比較的広いため、勤務先や経験・求められるスキルによっても大きな差があるようです。
出典:「https://求人ボックス.com/臨床心理士の年収・時給給料情報の算出について」
(給料情報は2024年6月に「求人ボックス」上で掲載されていた求人情報から算出)。
認定心理士
認定心理士は、社団法人日本心理学会が認定する民間資格です。四年制大学で心理学に関する基礎的な知識や技能を身につけたことを証明する資格です。
大学では心理学に関する学部・学科でも、名称に「心理学」が含まれていない場合があります。これらの学部や学科を卒業した場合でも、心理学に関する基礎学力と技能を持っていることを証明するために作られた資格です。
資格の取得方法
大学や大学院で日本心理学会が指定する科目を履修する必要があります。具体的には、指定科目のうち基礎科目で12単位以上、選択科目で36単位以上の修得が必要です。指定科目を履修したら日本心理学会に資格認定の申請を行い、審査に合格することで資格を取得できます。
資格取得の条件・資格試験の受験条件
認定心理士になるための資格試験はありません。資格の取得方法で説明した通り、指定科目を履修し、資格認定を申請して審査に合格すれば資格を取得できます。
出典:公益社団法人 日本心理学会「認定心理士の資格を取りたい方」
通信講座や独学で取得できる民間資格

心理カウンセラーの仕事をするには、この資格が必要であるという決まりはなく、資格がなくても「心理カウンセラー」と名乗ることは自由です。しかし、心理学の知識やスキルがなくては、相談相手の信頼を得ることは難しく、仕事をするのは難しいでしょう。また、実際に仕事を始めてみてから、もっと専門分野の学びを深めたくなることもあるでしょう。ここでは心理カウンセラーの仕事に役立つ、通信講座や独学で取れる民間資格を紹介します。
メンタル心理カウンセラー
メンタル心理カウンセラーは、心理カウンセラーに必要な知識を有することを証明できる民間資格の一つです。学校や医療現場、福祉施設、一般企業などでは、人間関係に悩んだり、ストレスを抱えたりする人がいます。そのような支援対象者をカウセリングでケアするための知識や技能を学べます。
資格取得方法
通信講座で取得可能。
一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)が認める講座を修了すること。講座修了後の資格試験は在宅受験が可能です。
上位心理カウンセラー
メンタル心理カウンセラーに求められる知識に加え、心理療法やカウセンリングの能力も必要とされる資格です。あらゆる業種からの需要があり、就職先を選択する幅も広がる可能性があります。メンタル心理カウンセラー資格と同時取得をめざす人も多くいます。
資格取得方法
通信講座で取得可能。
一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)が認める講座を修了すること。講座修了後の資格試験は在宅受験が可能です。
メンタルケアカウンセラー
メンタルケアカウンセラーとは、メンタル心理カウンセラーと同様に、心理学をはじめ心の病気やカウンセリング技術を証明する資格です。メンタルケアの知識を学び、生活の中で直面するコミュニケーションや対人関係に関する問題への対応力を身につけます。
資格取得方法
通信講座で取得可能。
メンタルケア学術学会指定の講座を受講することで資格取得が可能。一つひとつの添削課題に取り組み、提出したレポートに合格することで修了認定となり、資格取得ができるので、自宅での学習と受験で資格取得が可能です。
チャイルドカウンセラー
チャイルドカウンセラーとは、いじめや不登校などの問題を抱える子どもたちに寄り添い、問題を解決へと導く心理カウンセラーになるための民間資格の一つです。
専門的な心理学の知識や、カウンセリングのスキルをはじめ、幼稚園や保育園、学校、塾など、子どもや家族のさまざまな問題を解決できる力が身につきます。
資格取得方法
通信講座で取得可能。
一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP認定)が認める講座を修了後、随時、在宅で受験できます。
キャリアカウンセラー
キャリアカウンセラーとは、支援対象者のキャリアをサポートする仕事です。個人の適性や職業に関する経験に基づき、職業の選択やキャリアアップを支援します。
活躍の場は、多くは企業ですが、人材派遣会社や大学などの教育機関、公的就労支援機関で活躍する人もいます。独立開業したり、講師として活躍したりする可能性も広がります。
人事労務管理や労働法規などの専門的な知識なども身につけることができます。
資格取得方法
通信講座で取得可能。
一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP認定)が認める講座を修了後、随時、在宅で受験できます。
ケアストレスカウンセラー
ストレスを和らげるメンタルケアのスキルを持っていることを照明する資格です。「青少年ケアストレスカウンセラー」「高齢者ケアストレスカウンセラー」「企業中間管理職ケアストレスカウンセラー」の3種類の教科書で学習するので支援対象者が幅広く、福祉関係や企業などで活躍できます。
資格取得方法
通信講座で取得可能。
職業技能振興会が認める講座を主にeラーニングで学んだ後、検定は公式テキストと一般常識問題の正答率が70%の場合、合格となります。
福祉心理カウンセラー
福祉心理学全般の知識を持っていることをアピールできる資格です。医療、教育の分野をはじめ一般企業でも求められる福祉心理カウンセラーとして活躍できます。
資格取得方法
独学が可能。
日本メディカル心理セラピー協会が主催する試験で、70%以上の評価を得られると資格を与えられます。
家族療法カウンセラー
子どもへのメンタルケアとともに、その家族へのカウンセリングも行います。家族療法の知識を持っていることを証明する資格です。そのため、アドラー心理学をはじめとする専門的な知識が求められます。主に児童相談所などの福祉施設や、小中学校などの教育現場に勤務し、問題を抱えている子どもやその家族のケアにあたります。
資格取得方法
通信講座で取得可能。
一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP認定)が指定する認定教育機関のカリキュラムを修了後、試験に合格すると資格が与えられます。
メンタルヘルス・マネジメント検定
メンタルヘルス・マネジメント検定は、主に企業の相談室などに勤務し、社員のヘルスケアに役立つ資格です。検定は対象ごとに1種から3種まであり、1種は一般社員、2種は管理職、3種は人事労務管理スタッフ・経営幹部です。
資格取得方法
独学が可能。
検定は大阪商工会議所が主催。公式テキストで学習後、検定試験は「公開試験」(統一試験日に全国15都市で実施)と「団体特別試験」(企業等が任意に試験の日時・場所を設定し実施)の2種類の受験方法があります。
心理カウンセラーの仕事内容と活躍できる場所

心理カウンセラーは、教育・福祉分野をはじめ、さまざまな分野で活躍しています。それぞれの分野や職場によって、支援対象とする人も違えば、必要な資格も違ってきます。職場によっては、他の分野や職種の人との連携が必要となる場合もあり、専門知識はもちろんコミュニケーション能力が求められる場合もあります。
どのような分野で活躍できるかを知ることは、これからどんな学びを深めればよいのか、またどんな資格を取ればいいのかを知るヒントにもなります。ここでは、心理カウンセラーが活躍する分野ごとに、それぞれの仕事内容を紹介します。
※下記の分野のほか、個人で独立開業したり、電話相談を担当したり、ボランティアで活動する心理カウンセラーもいます。訪問カウンセリングやオンラインカウンセリングなどで、各人の専門分野を活かしながら活躍する働き方もあります。
教育分野
小学校、中学校、高等学校などの教育機関では、スクールカウンセラーが多く活躍しています。スクールカウンセラーになるには、基本的には臨床心理士の資格が必要ですが、自治体によって採用条件は異なります。
仕事内容は、主に不登校やいじめなどの問題を抱える児童や生徒、その保護者の心理相談に応じることです。教員と連携して子どもたちをサポートするほか、最近では教員からの相談やストレスマネジメントに対応する場面も増えています。
福祉・保健分野
高齢者施設や児童相談所、精神保健福祉センターなどで、介護サービスを受ける高齢者や児童へのカウセリングを実施します。児童相談所で勤務する場合は「児童心理司」という公務員として働きます。
高齢者施設の場合は、ソーシャルワーカーや作業療法士など、一人の相談者に多職種と連携してサポートすることも多くあります。一方、精神保健福祉センターや保健センターの場合は、引きこもりや依存症などの相談に応じます。対象者だけでなく、家族と関わることが多くあります。
医療分野
病院や診療所の精神科・神経科、心療内科・小児科などで、精神科医と連携しながら、心理テストや心理面接などを行います。主に、臨床心理士の資格が必要とされます。近年では、産婦人科をはじめ、さまざまな病院で心理カウンセラーが必要とされる傾向にあります。
産業分野
民間の企業では、社員の心身の不調をサポートする産業カウンセラーが活躍しています。企業のメンタルヘルス対策として、社員の悩みを聞き、状況によっては職場全体の環境改善を図ることもあります。
企業内のカウンセリングルームや、健康管理センターに勤務することが多く、中には社員が産業カウンセラーの資格を取得して担当する企業もあります。
司法分野
刑務所や少年鑑別所などの法務技官、家庭裁判所の調査官など、司法関係の施設でも心理カウンセラーが活躍しています。罪を犯した人や、非行歴のある子どもの社会復帰をサポートするのが主な仕事です。
心理カウンセリングだけでなく、犯罪が起きた原因を探り、家庭環境を分析するのも仕事の一つです。また、地域の犯罪を未然に防ぐことを目的に、一般市民からの相談に応じたり、地域の学校と連携したりすることもあります。
法務省が管轄する機関での勤務なので、肩書は公務員となります。
研究分野
大学に付属する心理・臨床センター、企業の研究機関などでも、心理カウンセラーが大学教員として研究を続けることもあります。
大手前大学 通信教育部で学ぶ心理学

大手前大学 通信教育部では人気の心理学科目を30以上ご用意。24時間どこでもオンライン受講が可能で、社会人や主婦の方も、今の仕事や生活を続けながらでも学びやすい学修スタイルです。また、入学後に状況が変わっても、年4回学修計画を調整できる柔軟な「クール制」や、担当教員と専任アドバイザーによるサポートなど、学びを続けやすい環境が整っています。
一度、他業種に就職したものの、カウンセラーや心理士の道に進みたい方はもちろん、子どもや家族や友人、周りの人の気持ちに寄り添いたい方、部下のコーチングやマネジメントのレベルを上げたい方、会社や組織での人間関係で感じるストレスを改善したい方など、大手前大学 通信教育部で心理学を学んでみませんか?
どんなことが学べるの?
大手前大学 通信教育部には、必修科目はありません。心理学の科目以外にも、現代社会で必要になるさまざまな分野の学びを、170科目設置し、自身の目的に合わせて自由にカリキュラムをカスタイマイズして学べます。
- 例えば、対人メインで学びたい方なら・・・・カウンセリング心理学、発達心理学、対人関係論、文化心理学
- 例えば、同時にビジネススキルも身につけたい方なら・・・・マーケティング心理学、マーケティングリサーチ入門、マーケティング論、Webマーケティング
もちろん、心理学の基礎技術と基礎知識を獲得できる充実のカリキュラムをご用意。卒業と同時に認定心理士の資格取得も可能です。
※大手前大学 通信教育部で取得できるのは、認定心理士のみであり、「公認心理師」や「臨床心理士」の資格取得に対応したカリキュラムは開講しておりません。
どんなメリットがあるの?
大手前大学は、本格的な心理学分野の通信教育を関西で初めて設置した大学です。そのため、心理学の基礎から専門分野の各論まで幅広く学べます。また、一般企業において必要なコミュニケーションスキルや、ビジネス・マネジメントスキルなどの仕事に役立つスキルから、人生を豊かにする文化・教養スキルまで、これからの人生に役立つ「マルチスキル」が身につきます。転職を考えている方は、専任スタッフがサポートする「オンラインキャリアカウンセリング」も利用できます。
※正科生のみ。
卒業生・在学生の声

公認心理師のAさんのケース
看護と心理、二つの専門性から働く人の心と身体の健康をサポートしたい
コロナ禍で患者も医療従事者も大きなストレスを抱えるようになり、同僚から相談を受ける機会が増えました。メンタルヘルス支援が重要になるなかで、公認心理師(※)の資格を取得したものの思うような支援につながらず、心理学の体系的な理論や実践的な援助技術の必要性を痛感。授業も試験もオンラインで完結する学びが決め手になりました。
(※)大手前大学は公認心理師資格取得プログラムに対応していません。
通信教育であっても決して一人ではなく、いつも誰かとコミュニケーションを取り、新鮮な考え方を吸収できることがとても楽しいです。さまざまな心理学の理論を学ぶことは、自己や他者を客観的に捉える機会になり、互いの価値をより認められるようになってきたと感じています。

薬剤師のYさんのケース
薬剤師としての人生を、心理学の側面から振り返り。新たな知見とともに再出発
調剤薬局を退職したタイミングで、自分の人生を心理学の側面から振り返ってみたいと思い入学しました。ジェンダー、障がい、対人、そして自分と物事に対する考え方が変わり、臨床心理学などにおいて薬を使わない治療法を学ぶことで、治療に対する考え方を再認識しました。入学後もさまざまなことにチャレンジしたい気持ちが湧き出てきて、現在は新たな調剤薬局で再度薬剤師として働いており、大学で学んだことを活かしたボランティア活動にも参加しています。

漢方薬局を経営するSさんのケース
仕事、家事、育児…生活にフィットした学修のスタイルが習慣化できた
経営している漢方薬局では、漢方相談においてお客さまから病気以外の悩みを打ち明けられることも多く、心理援助の必要性を実感。心理学を学ぼうと決意しました。
民間のカウンセラー資格も検討しましたが、専門的かつ体系的に学ぶには大学がベストだと判断しました。
実際に学修してみると、自由な時間に受講できるオンラインでの授業は、家事の合間や子どもを寝かしつけた後に気軽に受講でき、学修スタイルが生活にフィットしていたので習慣化することができました。
また、スクーリングでは看護・福祉などバックグラウンドの近い受講生とも出会え、さまざまな情報交換ができたり、仕事や家事・育児と両立されている方も多く、励みになりました。孤立しがちな通信制の学びは、時間を調整してでもスクーリングに参加して仲間を作ることをおすすめします。
漢方相談をより幅広い視点から見つめなおせるようになったのは大きな変化。今後は、心理療法を組み合わせ、多面的な支援をめざしたいです。