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日本語教師の平均年収はいくら?収入を上げる方法や要因を解説
近年、日本語を学びたいというニーズが世界で高まっており、国際交流基金が3年おきに実施する調査(※1)によれば、2024年度の海外の日本語教育機関数、教師数、学生数は過去最多という結果が出ています。また一方、文部科学省による登録日本語教員制度が正式にスタートしたこともあり、今、日本語教師という職業に注目が集まっています。「日本語を教えることができる人材」が活躍できる場は教育機関にとどまらず、一般企業にまで広がり始めており、企業人として働きながら日本語教師の資格取得をめざす人や、副業として日本語教師を選択する人も増えつつあります。
しかし、すでに日本語教師として働いている方や、これから日本語教師をめざそうと考えている方の中には、収入や将来のキャリアに不安や疑問を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、さまざまな最新資料を基に、日本語教師の平均年収や給与水準の実態を詳しく解説します。また、年収アップの方法も徹底解説していきますので、そちらも併せてお読みください。
※1参考:2024年度「海外日本語教育機関調査」結果
(国際交流基金ホームページ・https://www.jpf.go.jp/j/about/press/2025/dl/2025-031.pdf)
日本語教師の平均年収
文化庁の「令和2年度『日本語教師の資格創設に係る状況調査結果概要』」によれば、常勤で働く日本語教師(4,690人)のうち、年収区分で最も多かったのは「300~400万円未満(1,725人)」でした。さらに勤務先の種別で見ると、留学生が多く通う「法務省告示校」では教師2,797人中、年収300~400万円未満の割合は46.3%(1,295人)に達しています。一方で、「大学等」では教師926人のうち、年収400万円以上の割合が全体のほとんどを占めており、年収1,000万円以上と回答した割合も20%(186人)となっています(図①)。勤務先によって、年収には大きな差があると言えるでしょう。
■図① 「常勤」日本語教師の年収別分布状況【参考】
※参照:「令和2年度『日本語教師の資格創設に係る状況調査結果概要』」
(文化庁Webサイト https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/pdf/93457201_01.pdf)
一方、非常勤教師の給与形態は勤務先によって異なりますが、多くは「時給(38.5%)」もしくは「授業コマ数(38.9%)」となっています。(図②)「時給」と回答した非常勤教師(3,013人)のうちで最も回答が多かったのは「2,000~3,000円未満」で全体の37%(1,116人)を占めています。「授業コマ数」と回答した非常勤教師(3,997人)のうちで最も回答が多かったのは「1,000~2,000円未満」で、全体の31.4%(1,257人)となりました。ただし、いずれの給与形態でも勤務先が「大学等」の場合は単位時間あたりの給与が高く、「時給」と回答した非常勤教師(511人)のうち72.6%(371人)、「授業コマ数」と回答した非常勤教師(716人)のうち92.7%(664人)が、「5,000円以上」となっています(図③、図④)。非常勤教師の場合も、勤務先によって待遇が大きく異なります。
■図② 「非常勤」日本語教師の給与形態【参考】
※参照:「令和2年度『日本語教師の資格創設に係る状況調査結果概要』」
(文化庁Webサイト https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/pdf/93457201_01.pdf)
■図③ 「時給制」と回答した機関の「非常勤」日本語教師の1時間当たり単価【参考】
※参照:「令和2年度『日本語教師の資格創設に係る状況調査結果概要』」
(文化庁Webサイト https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/pdf/93457201_01.pdf)
■図④ 「授業コマ数」と回答した機関の「非常勤」日本語教師の1コマ当たり単価
※参照:「令和2年度『日本語教師の資格創設に係る状況調査結果概要』」
(文化庁Webサイト https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/pdf/93457201_01.pdf)
上記の資料によれば、非常勤教師の労働時間については、「週5時間未満(5,015人) 」の割合が最も高く,次いで「週5~10時間未満(3,974人) 」「週10~20時間未満(2,805人) 」となっています。全体として、非常勤教師は短時間労働の人が多いことがわかります。こうした状況を鑑みれば、収入面では常勤教師の方が高く、安定していると言えるでしょう。ただし、非常勤教師は勤務時間を調整しやすいため、例えば配偶者控除の範囲内で働くこともできますし、副業にすることもできます。目的や希望に応じて、選択するとよいでしょう。
日本語教師の年齢層と勤続年数
文部科学省の「日本語教育実態調査令和5年度報告」によれば、日本語教師の年代構成は50代(19.5%)、60代(21.8%)が全体の約4割を占めており、全体的に年齢層は高めと言えるでしょう(表①)。
■表① 年代別の日本語教師等の数
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| 10代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 | 不明 | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 常勤 | 5 (0.0%) |
816 (1.8%) |
1,376 (3.0%) |
1,784 (3.9%) |
1,669 (3.6%) |
959 (2.1%) |
193 (0.4%) |
412 (0.9%) |
7,214 (15.6%) |
| 非常勤 | 15 (0.0%) |
603 (1.3%) |
1,298 (2.8%) |
2,990 (6.5%) |
4,379 (9.5%) |
4,175 (9.0%) |
1,271 (2.7%) |
1,031 (2.2%) |
15,762 (34.1%) |
| ボランティア | 352 (0.8%) |
1,031 (2.2%) |
764 (1.7%) |
1,716 (3.7%) |
2,969 (6.4%) |
4,949 (10.7%) |
5,097 (11.0%) |
6,403 (13.8%) |
23,281 (50.3%) |
| 合計 | 372 (0.8%) |
2,450 (5.3%) |
3,438 (7.4%) |
6,490 (14.0%) |
9,017 (19.5%) |
10,083 (21.8%) |
6,561 (14.2%) |
7,846 (17.0%) |
46,257 (100.0%) |
※参照:「日本語教育実態調査令和5年度報告」
(文部科学省ホームページ・https://www.mext.go.jp/content/20241101-mxt_chousa01-000038170_02.pdf)
一方、文化庁の「令和2年度『日本語教師の資格創設に係る状況調査結果概要』」によれば、常勤教師の勤続年数は1~3年未満(26.5%)が最も多くなっており、次いで3~5年未満(18.3%)、5~10年未満(17.2%)と続きます(図⑤)。
■図⑤ 「常勤」日本語教師の勤続年数分布状況【参考】
※参照:「令和2年度『日本語教師の資格創設に係る状況調査結果概要』」
(文化庁Webサイト https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/pdf/93457201_01.pdf)
日本語教師の場合、一般的な企業のように「年功序列で、年齢が上がるにつれて自動的に給与が上がる」わけではありません。収入を左右するのはどの教育機関に就職したか、常勤か非常勤かといった要素が大きく影響しており、年齢や勤務歴はそれほど影響していません。常勤で働くのであれば、職場によっては転職したばかりの方であっても、安定した高収入が狙える職業と言えるでしょう。
日本語教師の年収を決定する5つの要因
前項で取り上げた通り、日本語教師の年収は年功序列で年を追うごとに上がっていくわけではありません。また、文部科学省の「令和5年度『日本語教育実態調査』」によれば、日本語教師の職務形態の内訳は、ボランティアが50.3%、非常勤教師は34.1%、常勤教師は15.6%となっており、多様な就業形態が選択できる職業となっています(表①)。
つまり、日本語教師は「どの教育機関で、どのような職務形態で、どれくらい働くか」という個人の選択が、そのまま年収を決定づける要因になっているのです。では、具体的にどのような要素が年収を左右するのか。ここでは5つの要因に整理して解説していきます。
1. 勤務先の種類
「大学等」を就職先とした場合:
常勤教師は、年収400万円以上の教師の割合が88.1%となっており、20%の教師が「1,000万円以上」の年収を得ています。
非常勤教師は、「時給制」と回答した機関の72.6%、「授業コマ数」と回答した機関の92.7%が、「5,000円以上」と回答しています。
「法務省告示校(一般的な日本語学校等)」を就職先とした場合:
常勤教師は、年収「300~400万円未満」の割合が最も高く、全体の46.3%となっています。
非常勤教師は、「時給制」と回答した機関の59.5%が「2,000~3,000円未満」、34.4%が「1,000~2,000円未満」となっています。また、「授業コマ数」と回答した機関の46.0%が「1,000~2,000円未満」、35.8%が「2,000~3,000円未満」となっています。
「専修学校・各種学校」「地域日本語教室」「その他の日本語教育機関」などの場合:
常勤教師は、「300万円以下」の割合が高い一方で、「400万円以上」の割合も高くなっています。
非常勤教師も同様の傾向が見られ、「時給制」「授業コマ数」ともに、単位時間あたりの給与にバラつきが見られます。
これらの教育機関については、機関種別ではなく、個々の学校の運営方針や授業の形態などによって待遇に差があることに注意が必要です。
2. 雇用形態
雇用形態によって、年収には大きな差が生まれます。基本的には賞与や各種手当が含まれる常勤教師の方が高い収入を得ることができます。常勤教師の場合は月給制や年俸制であるため、収入が安定している点もメリットと言えるでしょう。
対して非常勤教師は、「授業コマ数」(40.1%)と「時給制」(39.7%)でほぼ二分されています(図②)。受け持つ授業を増やせば収入を増やすことができますし、ライフステージなどに合わせて、働く時間を調整しやすい点はメリットと言えます。ただし、学校側の事情によっては、本人の希望が通らないこともあるため、複数の学校を掛け持ちするなどの工夫が必要になります。
非常勤教師の給与を機関種別に見ると、「大学等」では月給制や年俸制を採用している機関が17.3%(月給制14.9%、年俸制2.4%)となっており、他の教育機関と比べてやや突出しています。ただし、年収額は常勤教師より低く設定されている場合が多いと予想されます。「法務省告示校(一般的な日本語学校)」は「授業コマ数」制を採用している場合が多く、全体の55%。「地域日本語教室」では「時給制」を採用している場合が多く、全体の46.2%です。
これから日本語教師になろうと考えている人や、職場を変えようと考えている人は、教育機関によって雇用形態に特色があることを覚えておくとよいでしょう。
3. 担当する授業数と実労働時間
固定給が一般的な常勤教師と異なり、非常勤教師は担当する授業数や実労働時間がそのまま収入に直結します。
文化庁の「令和2年度『日本語教師の資格創設に係る状況調査結果概要』」によれば、常勤教師の実労働時間は「週40~50時間未満」が全体の41.7%を占めています(図⑥)。一般的な企業におけるフルタイム労働と同程度と言えるでしょう。
これに対し、非常勤教師の実労働時間は、「週5時間未満」が全体の39.34%、「週5~10時間未満」が31.2%、「週10~20時間未満」が22.0%となっており、全体として見れば、ほとんどの非常勤教師が短時間勤務という実態が見えてきます(図⑦)。非常勤教師として十分な収入を得るためには、単位時間あたりの給与が高い教育機関を選ぶか、複数の学校を掛け持ちするなどの工夫が必要となります。
■図⑥ 「常勤」日本語教師の実労働時間分布状況【参考】
※参照:「令和2年度『日本語教師の資格創設に係る状況調査結果概要』」
(文化庁Webサイト https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/pdf/93457201_01.pdf)
■図⑦ 「非常勤」日本語教師の実労働時間分布状況【参考】
※参照:「令和2年度『日本語教師の資格創設に係る状況調査結果概要』」
(文化庁Webサイト https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/pdf/93457201_01.pdf)
4. 保有する資格や実務経験の年数
高収入が狙える教育機関(「大学等」や好待遇の「法務省告示校」)へ就職するためには、その教育機関が掲げる採用要件を満たす必要があります。文化庁の「令和2年度『日本語教師の資格創設に係る状況調査結果概要』」によれば、多くの教育機関が日本語教師の採用要件として「日本語教師としての経験(50.0%)」、「日本語教育能力検定試験の合格(49.8%)」を挙げています(図⑧)。
また、特に給与水準の高い「大学等」では、「日本語教師としての経験」や「修士の取得」を要件とする傾向が高く、「大学等」以外の教育機関では「大学卒(学士)」を要件に含む場合が多いようです。
注意が必要なのが、「日本語教育能力検定試験の合格」という要件です。2024年から、新たな国家資格として「登録日本語教員」が創設され、国が認めた「認定日本語教育機関」で日本語教師をする場合には、「登録日本語教員」資格が必須となりました。このため、採用の要件を「日本語教育能力検定試験の合格」から「登録日本語教員の資格取得」に置き換える教育機関が増えることが予想されます。
今後、少しでも条件のよい教育機関に就職したいと考えている人は、まず「修士」「登録日本語教員」などの取得をめざすとよいでしょう。
■図⑧ 日本語教師に関して抱えている課題
※参照:「令和2年度『日本語教師の資格創設に係る状況調査結果概要』」
(文化庁Webサイト https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/pdf/93457201_01.pdf)
5. 勤務地域による給与水準の差
日本語教師の給与は、勤務する地域によって格差があることが予想されます。
文部科学省の「日本語教育実態調査令和5年度報告」によれば、都道府県別日本語教育実施機関・施設数は、東京都が最も多く417校であるのに対して、最も少ない和歌山県・鳥取県は13校。また、日本語教師等の数(常勤・非常勤・ボランティアの合計)は、東京都が11,676人であるのに対して、和歌山県が112人、鳥取県が178人となっています。全体として、日本語教育に関連する市場は都市部に集中していると言えるでしょう。
こうした背景があるため、日本語教師の給与水準は都市部ほど高く、地方は低くなる傾向があると考えられます。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によれば、日本語教師が属する職業分類である「その他の学校等教員」の平均年収は、全国平均が「502.6万円」であるのに対して、東京都で「587.8万円」、青森県は「337.5万円」となっています。「その他の学校等教員」カテゴリには各種専門学校教員や予備校・塾講師、英会話講師なども含まれているため、必ずしも日本語教師の地域格差を反映しているデータではありませんが、大まかなトレンドとして、都市部は給与水準が高く設定される傾向があることが読み取れます。市場規模が大きい日本語教師の求人も、この地域ごとの市場相場の影響を強く受けていると考えられます。
ただし、給与水準が高く求人も豊富な地域(都市部)は、物価や家賃、交通費などの固定費も高くなりがちです。就職先を選ぶ際には、こうした生活コストや暮らしやすさなども考慮に入れておくとよいでしょう。
※参照:「日本語教育実態調査令和5年度報告」
(文部科学省ホームページ・https://www.mext.go.jp/content/20241101-mxt_chousa01-000038170_02.pdf)
※参照:「日本語教師」
(職業情報提供サイトjob tag・https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/397)
日本語教師が収入を上げる3つの方法
先に述べた通り、日本語教師の収入は、年齢や勤続年数によって自動的に上がっていくわけではありません。ですが、「キャリアの選択や個人の工夫次第で、年齢に関係なく確実にステップアップしていける仕事」でもあります。では、具体的にどのようなキャリアを積み、どのように工夫をすれば収入を上げることができるのでしょうか。
ここでは、長く安定して稼ぐためにできる、現実的かつ実践的な3つの方法を具体的に解説します。
1. 実務経験を積んで主任教員をめざす
収入を上げる方法の一つ目は、管理職をめざすというものです。学校組織内でのキャリアアップとしては、主任教員をめざすというのが王道ルートとなります。
法務省が定める「日本語教育の告示基準」によれば、法務省告示校として認定される要件として「教育課程の編成及び他の教員の指導」を行う「主任教員」を定めることを求めています。また、「主任教員」に必要な条件として、「教育課程の編成及び他の教員の指導を行うのに必要な知識及び能力を有すること」と、「日本語教育機関又は認定日本語教育機関の常勤の日本語教員として3年以上の経験を有する者であること」としています。
※参照:「日本語教育機関の告示基準」
(出入国在留管理庁Webサイト・https://www.moj.go.jp/isa/content/930005392.pdf)
一方で、文化庁の「令和2年度『日本語教師の資格創設に係る状況調査結果概要』」によれば、全国の日本語教育機関977校のうち12.7%(124校)が「主任教員の確保が難しい」を課題として挙げているというアンケート結果が出ています(図⑧)。
また近年では、現職日本語教師を対象とした「主任教員研修」などのプログラムも実施されており、日本語教育の現場での主任教員のニーズの高さをうかがい知ることができます。主任教員などの管理職になれば、役職手当や基本給の大幅なアップといった好待遇も期待できますし、実際に求人サイトなどでも主任教員の求人は給与条件が高額になる傾向が見られます。もちろん責任は伴いますが、その分やりがいを感じられる方法と言えるでしょう。
2. オンラインレッスンや個別指導の副業を行う
日本語教師は、日本語学校などの教育機関に属さず、個別指導やオンラインレッスンなどの方法でも収入を得ることができます。また、他の職業に就きながら副業として日本語教師をしたり、日本語学校の教員として働きながら副業として個人レッスンを行ったりするなど、多様な働き方ができる職業です。
文部科学省の「日本語教育実態調査令和5年度報告」によれば、国内の日本語学習者の属性として、「留学生(全体の66.2%)」に次いで多いのが「ビジネス関係者及びその家族(全体の7.1%)」となっています(図⑨)。これは、単に日本語を習得したいというだけではなく、ビジネス用語などの専門的な分野の学習ニーズが存在しているということです。
■図⑨ 属性別日本語学習者数
※参照:「日本語教育実態調査令和5年度報告」
(文部科学省ホームページ・https://www.mext.go.jp/content/20241101-mxt_chousa01-000038170_02.pdf)
こうした背景もあり、近年では語学習得希望者と教師をつなぐ「語学プラットフォーム」なども登場しています。このサービスを利用すれば、登録するだけですぐに日本語教師として働き始めることができます。特別な資格がなくてもできる場合もありますので、気になる方は試してみるとよいでしょう。
個人レッスンの場合、ある程度は自由に授業の単価を設定できるため、効率的に収入を得ることができます。ただし、あまりに高額だと敬遠されますし、独自性や専門性の低い授業だと生徒は離れていってしまいます。個人レッスンのみで高収入を得るためには、生徒の学習ニーズをしっかりとつかむ洞察力と、継続的に学びたくなるような授業の工夫も必要です。もちろん努力次第では、日本語学校の教師以上の収入を得ることも夢ではありません。
3. 国家資格である登録日本語教員を取得する
2024年(令和6年)4月より、「登録日本語教員」制度がスタートしました。「登録日本語教員」とは、日本語教育の質の維持・向上と社会的な信用度を高めるために創設された日本語教員の国家資格制度です。「登録日本語教員」制度に伴い、文部科学大臣が認定する「認定日本語教育機関」で日本語教師として指導を行うためには、原則としてこの国家資格が必要となりました。
日本語教師は民間の資格も複数あり、現時点では多くの教育機関がいずれかの資格を取得していることを採用条件に挙げています。しかし、「登録日本語教員」という国家資格を取得することは、いわば国による教育の質の証明です。今後は、「登録日本語教員」の有資格者をより重視する教育機関が増えていくことが予想されます。併せて、有資格者への手当支給や、基本給を高めに設定するなどの好待遇を用意する教育機関が増えていくでしょう。将来を見越して、民間資格を取得している日本語教師の中にも「登録日本語教員」資格を改めて取得する人も増えています。日本語教師として長く活躍したいと考えている方は、この機会に資格取得を検討みてはいかがでしょうか。
まとめ 働きながら登録日本語教員をめざせる大手前大学通信教育部
日本語教師の年収や給与は、「どの教育機関でどのように働き、どのようにキャリアアップするか」で大きく変わるということがおわかりいただけたことと思います。
また、この記事では細かく触れていませんが、一般企業で働きながら日本語教師の知識を活かすという場合もあります。外国人社員の受け入れや定着支援、社内研修などの業務では日本語教師の知識を活かすことができるため、社内で重用される人材となることも夢ではありません。また、日本語教師を副業としたり、常勤の日本語教師に転職したりと、キャリアチェンジの道も広がります。
そして、日本語教師として安定的に高収入を得ようとするならば、国家資格である「登録日本語教員」の資格取得が今後は重要になってくると考えられます。登録日本語教員をめざす方法はいくつかありますが、仕事や家庭と両立しながら学びたい方には、通信制大学という選択肢もあります。
大手前大学通信教育部なら、資格取得も学位取得もめざせます
大手前大学通信教育部は、通信制大学で初めて、登録実践研修期間・登録日本語教員養成機関として文部科学大臣の登録を受けています。大学ならではの体系的な学びを通じて日本語教員に必要な知識を身につけることができ、所定の単位を取得すれば「登録日本語教員」の資格取得に必要な試験や研修の一部が免除されます。教育実習以外は完全オンライン授業なので、仕事と学びをムリなく両立が可能。180科目の中から、日本語教員に必要な科目以外も履修できます。さらに、4年制大学卒業時に授与される「学士」の学位の取得をめざすこともできます。
在校生・卒業生インタビュー
海外で活躍する日本語教師を目指すGさんのケース
タイへの旅行で現地の人々の親切さに感動し、何か恩返しがしたいと思ったことがきっかけで、20代の頃に憧れた日本語教師の道を考えるようになりました。日本語教師養成の専門学校で一年間学んだものの、日本語教育機関で働くためには学位が必要なことがほとんどということを知り、周りの日本語教師の多くが卒業生で、定評があった大手前大学通信教育部に進学を決意。技能実習生に日本語を教えながら、家事、学業を並行して取り組む4年間が始まりました。
通信での学びは孤独なイメージがありましたが、スクーリングで同級生や先生方との直接の交流ができるようになり、メールでの質問のハードルもぐっと下がりました。先生方は親切で、多様な経歴を持つ友人たちとともに励まし合いながら学ぶことができた、充実した4年間でした。特に教育実習は専門学校では得られなかった貴重な経験であり、今でも教壇に立つ際の基礎や自信となっています。心理学の科目も履修し、認定心理士の資格を取得しましたが、このスキルは職場で大いに役立っています。
現在は日本語学校で、主にアジアからの留学生に日本語を教えています。日本語教師という職業は国家資格となり、その需要も拡大しています。国内外、それぞれのライフスタイルに合わせて働ける点も大きな魅力です。私自身は日本での経験を積みながら、最終的にはタイで日本語を教えることをキャリアの目標としています。
新たな日本語教育の場を創出することに尽力するFさんのケース
私はIT企業を経営しているのですが、国内のIT人材の不足は深刻です。必然的に海外に人材を求めることになるのですが、そこには言葉の壁が立ちはだかっています。そこで、外国人IT人材向けの日本語教育に関わりたいと考えたことが入学のきっかけでした。
現在は、日本語教員養成課程を中心に学んでいます。通信教育を選んだのは、講義・テストがオンラインで完結できる点や、1年目に必要単位を修得し翌年は教育実習に集中できる4年次編入制度に惹かれたからです。仕事との両立は容易ではありませんが、オンデマンド授業が多いため、隙間時間を有効に活用できます。また、日本語教育実習(スクーリング)など、他の学生と交流できる貴重な機会もあります。他の学生の創意工夫にあふれる指導案に感化され、自分もベストを尽くすことができました。
今後は、外国人に適切な日本語を学んでもらえる場をつくることで、人材不足解消と生産性向上に貢献していきたいと考えています。また一方で、外国人にはビジネス日本語を、日本人には外国人にわかりやすい「やさしい日本語」を教える法人向けのサービスを立ち上げたいです。ゆくゆくは「ビジネス日本語教育」の専門企業を立ち上げ、グローバルに事業を展開することで、日本企業の海外進出を後押しできたらいいなと考えています。
今後も増えると予想される外国人労働者と良好な関係を築くためには、円滑なコミュニケーションが不可欠であり、日本語教育の知識やスキルを養うことで活躍の場は大きく広がると思います。興味を持たれた方は、是非、挑戦してください。