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登録日本語教員の資格取得ルートとは?条件別に最適なルートや費用も紹介
「国家資格を取って日本語教員になりたいけれど、何から始めればいいかわからない」「日本語教員養成講座を修了したけれど、新制度ではどうすれば資格が取れる?」2024年4月に国家資格に認定された登録日本語教員の資格取得をめざす方は、それぞれの立場によって、いろいろな疑問や不安を抱いているのではないでしょうか。
しかし、安心してください。登録日本語教員の資格取得には、いろいろな立場の方に合わせて、さまざまな資格取得ルートが用意されています。
本記事では、未経験者から現職者まで、それぞれに合った「資格取得ルート」を分かりやすく解説します。この記事を読めば、自分がどのルートに該当し、どんなステップを踏めばいいのかが明確になります。あなたのこれまでの学びや経験を活かし、自信をもって国家資格の取得をめざしましょう。
登録日本語教員の資格取得ルートとは
2024年4月、日本語教師としての初めての国家資格である「登録日本語教員」が誕生しました。この国家資格を取得するには、主に3つのルートが用意されています。ご自身の状況に合わせて、最適なルートを選ぶことが大切です。
養成機関ルート:文部科学大臣が指定する養成機関で学び、必要な課程を修了するルートです。
試験ルート:「日本語教員試験」を受けるルートです。合格すれば資格を取得することができます。
経過措置ルート:2024年4月の制度開始前から日本語教育に携わっていた方や、旧制度で学習を終えている方が対象となる特別なルートです。
制度開始後に日本語教員をめざす方は、基本的に「養成機関ルート」または「試験ルート」のどちらかを選択することになります。
しかし、すでに日本語教師として働いている方や、旧制度の420時間講座を修了した方、日本語教育能力検定試験に合格している方などは、ご自身の状況に合わせて経過措置ルート(C~F)を選択できます。これにより、これまでの経験や学びを活かして、スムーズに国家資格へと移行することが可能です。
「登録日本語教員の資格取得に係る経過措置」
| ルート | 対象者 | 講習・試験 |
|---|---|---|
| Cルート | 現職者に限らず、必須の50項目に対応した養成課程を修了し、学士以上の学位を有する方 | 基礎試験 免除 応用試験 実践研修 免除 |
| D-1ルート | 現職者のうち平成12年報告に対応した日本語教員養成課程を修了し、学士以上の学位を有する方 | 講習Ⅱ(講習修了認定試験) 基礎試験 免除 応用試験 実践研修 免除 |
| D-2ルート | 現職者のうち、C,D-1ルートに該当しないものの、現行告示基準に該当する養成課程を修了し、学士以上の学位を有する方 | 講習1(講習修了認定試験) 講習Ⅱ(講習修了認定試験) 基礎試験 免除 応用試験 実践研修 免除 |
| E-1ルート | 現職者のうち1987(昭和62)年4月1日~2003(平成15)年3月31日の間に実施された日本語教育能力検定試験に合格した方 | 講習1(講習修了認定試験) 講習Ⅱ(講習修了認定試験) 基礎試験 免除 応用試験 免除 実践研修 免除 |
| E-2ルート | 現職者のうち2003(平成15)年4月1日~2024(令和6)年3月31日の間に実施された日本語教育能力検定試験に合格した方 | 講習Ⅱ(講習修了認定試験) 基礎試験 免除 応用試験 免除 実践研修 免除 |
| Fルート | 上記に該当しない現職者 | 基礎試験 応用試験 |
※参照:『登録日本語教員の資格取得に係る経過措置』(文化庁ホームページ・
https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/pdf/93964001_03.pdf)
経過措置とは
経過措置とは、現職の日本語教師や旧制度の養成課程を修了した方など、一定の条件を満たす方が、新しい国家資格へと円滑に移行できるよう特別に設けられた制度です。
この制度には適用期間が定められており、現職者に限らず「必須の教育内容50項目」に対応した課程修了者が対象となる経過措置Cルートは、2033年3月31日まで適用されます。一方、現職者が対象となる経過措置D~Fルートの適用期間は2029年3月31日までです。
ご自身の状況がどのルートに該当するかを正確に判断し、期限内に必要な手続きを完了させることが非常に重要となります。なぜなら、この「経過措置」は、恒久的な制度ではなく、将来は使えなくなる時限制度だからです。期限を過ぎてしまうと、新制度の要件をすべて満たさなければならず、資格取得のハードルが大きく上がってしまいます。
登録日本語教員の経過措置についてさらに詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。
※経過措置について詳しくはこちら
養成機関ルート
登録日本語教員の資格取得をめざす上で、まず検討したいのが「養成機関ルート」です。このルートでは、文部科学大臣の登録を受けた日本語教員養成機関で、必要なカリキュラムを修了した上で、日本語教員試験の合格をめざします。
養成機関ルートには、2つの種類があります。
一体型:登録日本語教員養成機関と登録実践研修機関の両方の登録を受けた機関で、座学と実習を一体的に修了するルートです。
分割型:まず登録日本語教員養成機関で課程を修了した後、別途、登録実践研修機関で実践研修を修了するルートです。
どちらのルートを選んだ場合でも、定められた実習や特定の単位を修了することが要件となります。そして、これらの養成機関を修了した場合、日本語教員試験の基礎試験が免除されることが大きなメリットです。
日本語教員をめざすなら、大手前大学通信教育部
一体型の養成機関のなかでも、大手前大学は通信制大学で初めて、登録実践研修機関・登録日本語教員養成機関として文部科学大臣の登録を受けた機関です。通信制で学ぶ最大のメリットは、場所や時間にとらわれず、自分のライフスタイルに合わせて学習を進められる点です。社会人として働きながら、あるいは家事や育児と両立しながら、無理なく資格取得をめざせる柔軟な学習環境が整っています。
※教育実習に関してはスクーリングでの受講が必要になります
※大手前大学の登録日本語教員カリキュラムについて、詳しくはこちら
試験ルート
「養成機関ルート」と並んで、登録日本語教員をめざすもう一つの道が「試験ルート」です。このルートでは、「登録日本語教員試験」に合格し、その後「登録実践研修機関」で実践研修を修了することで、資格取得をめざします。
登録日本語教員試験は、基礎試験と応用試験の2つに分かれています。
基礎試験:日本語教育を行う上で必要となる、基礎的な知識と技能を評価します。
応用試験:実際の教育現場で発生する問題に対し、基礎的な知識や技能を応用して解決する能力を評価します。
試験についての詳しい概要は、後述する「令和7年度 登録日本語教員試験の実施概要」をご覧ください。
この試験ルートは、独学でもめざすことが可能です。ご自身のペースで計画的に学習を進めたい方にとっては、有効な選択肢となります。
日本語教師を独学でめざす方法やおすすめの教材について、詳しくは以下の記事でご紹介しています。
※独学で日本語教師をめざす方法について詳しくはこちら
6つの経過措置ルート
現職の日本語教師や、過去に養成講座を修了した方など、ご自身の状況によって、新制度への移行ルートは異なります。ここでは、現職の日本語教師が登録日本語教員となるための6つの経過措置ルートについて詳しくご紹介します。
まず、ここでの「現職者」とは、2019年4月1日から2029年3月31日までの間に、国内の日本語教育機関で1年以上日本語教員として勤務した方を指します。
これは、国内の日本語学校や大学、短大、高等専門学校など、法務省や文部科学省が指定した機関で日本語教育に携わった経験がある方が対象となります。複数の機関での勤務経験を合算することも可能です。また、主任教員として日本語教育課程の編成や管理の業務を主たる業務としていた方は、平均して週1回以上授業を担当していなかった場合でも経験に含めることができます。
以上の定義を踏まえた上で、現職者の皆さんの状況がどのルートに該当するか確認してみましょう。
経過措置Cルート
新しい制度に対応した「必須の教育内容50項目」の課程を修了し、学士(大卒)以上の資格を持つ方が対象となるルートです。
このルートは、6つある経過措置ルートの中で唯一、日本語教育の実務経験がない未経験者も対象となります。
Cルートの対象者は、日本語教員試験の基礎試験と実践研修が免除され、応用試験に合格すれば、すぐに登録日本語教員になることができます。
また、このルートは、6つある経過措置ルートの中で唯一、日本語教育の実務経験がない方も対象となります。未経験者にとっては、資格取得のハードルが比較的低いといえるでしょう。
このルートの適用期間は2033年3月31日までとなっており、日本語教員試験を受験する際には、日本語教員養成課程修了証明書と学位証明書の写しが必要となります。
注意:学士(大卒)以上の資格を持たない場合は、このルートの対象外となります。
Cルート
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| 適用期間 | 日本語教員試験出願時に必要な書類 | 必要な講習 | 免除される試験・研修 | 費用 |
|---|---|---|---|---|
| 令和15年3月31日まで | ・必須の教育内容50項目に対応した日本語教員養成課程修了証明書(写し) ・学士・修士・博士いずれかの学位証明書(写し) |
なし | 基礎試験・実践研修 | 応用試験 17,300円 |
経過措置D-1ルート
現職者で、2000年3月30日に文化庁が発表した「日本語教育のための教員養成について」に掲載されている5区分に対応した養成課程を修了し、学士(大卒)以上の資格を持つ方が対象となるルートです。5区分とは、「社会・文化・地域」「言語と社会」「言語と心理」「言語と教育」「言語」の5つの教育内容を指します。
「日本語教員試験」の基礎試験と実践研修は免除され、応用試験と文部科学省が実施する経験者講習Ⅱに合格すれば、登録日本語教員になれます。
このルートの適用期間は2029年3月31日までです。日本語教員試験を受験する際には、日本語教員養成課程修了証明書と学位証明書、講習Ⅱ修了証の写しが必要となります。
注意:学士(大卒)以上の資格を持たない場合は、このルートの対象外となります。
D-1ルート
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| 適用期間 | 日本語教員試験出願時に必要な書類 | 必要な講習 | 免除される試験・研修 | 費用 |
|---|---|---|---|---|
| 令和11年3月31日まで | ・平成12年報告に対応した日本語教員養成課程修了証明書(写し) ・学士・修士・博士いずれかの学位証明書(写し) ・講習Ⅱ修了証(写し) |
講習Ⅱ | 基礎試験・実践研修 | 応用試験 17,300円 講習Ⅱ 17,600円 合計 34,900円 |
経過措置D-2ルート
現職者で、CルートとD-1ルート以外の日本語教員養成課程を修了し、学士(大卒)以上の資格を持つ方が対象となるルートです。
「日本語教員試験」の基礎試験と実践研修は免除されます。応用試験と文部科学省が実施する経験者講習Ⅰ、Ⅱに合格すれば、登録日本語教員になれます。
このルートの適用期間は2029年3月31日までとなっており、日本語教員試験を受験する際には、日本語教員養成課程修了証明書と学位証明書、講習Ⅰ・Ⅱ修了証、日本語教育機関の在職証明書の写しが必要となります。
注意:学士(大卒)以上の資格を持たない場合は、このルートの対象外となります。
D-2ルート
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| 適用期間 | 日本語教員試験出願時に必要な書類 | 必要な講習 | 免除される試験・研修 | 費用 |
|---|---|---|---|---|
| 令和11年3月31日まで | ・法務省告示基準教員要件に該当する日本語教員養成課程修了証明書(写し) ・学士・修士・博士いずれかの学位証明書(写し) ・講習Ⅰ・Ⅱ修了証(写し) ・日本語教育機関の在職証明書(写し) |
講習Ⅰ・Ⅱ | 基礎試験・実践研修 | 応用試験 17,300円 講習Ⅰ・Ⅱ 26,400円 合計 43,700円 |
経過措置E-1ルート
現職者で、1987年4月1日から2003年3月31日までの日本語教育能力検定試験に合格した方が対象となるルートです。
「日本語教員試験」の基礎試験、応用試験、実践研修がすべて免除されます。文部科学省が実施する経験者講習Ⅰ、Ⅱに合格すれば、登録日本語教員になれます。
基礎試験と応用試験は免除となりますが、登録日本語教員になるためには、日本語教員試験に出願したうえで、経過措置の対象であることの確認を受け、試験の合格証書を入手する必要があるため注意が必要です。
このルートの適用期間は2029年3月31日までで、日本語教員試験を受ける際には、日本語教育能力検定試験合格証書、講習Ⅰ・Ⅱ修了証、日本語教育機関の在職証明書の写しが必要となります。
注意:登録日本語教員になるためには日本語教員試験に出願したうえで、経過措置の対象であることの確認を受け、試験の合格証書を入手する必要があります。
E-1ルート
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| 適用期間 | 日本語教員試験出願時に必要な書類 | 必要な講習 | 免除される試験・研修 | 費用 |
|---|---|---|---|---|
| 令和11年3月31日まで | ・日本語教育能力検定試験合格証書(昭和62年度~平成14年度)(写し) ・講習Ⅰ・Ⅱ修了証(写し) ・日本語教育機関の在職証明書(写し) |
講習Ⅰ・Ⅱ | 基礎試験・応用試験・実践研修 | 講習Ⅰ・Ⅱ 26,400円 |
経過措置E-2ルート
現職者で、2003年4月1日から2024年3月31日までの日本語教育能力検定試験に合格した方が対象となるルートです。
E-1ルートとは、日本語教育能力検定試験の合格時期が異なるため注意が必要です。
「日本語教員試験」の基礎試験、応用試験、実践研修がすべて免除されます。文部科学省が実施する経験者講習Ⅱに合格すれば、登録日本語教員になれます。
E-1ルートと同様に、日本語教員試験に出願し、経過措置の対象であることの確認を受ける必要があります。
このルートの適用期間は2029年3月31日までで、日本語教員試験を受ける際には、日本語教育能力検定試験合格証書(2003〜2024年度)、講習Ⅱ修了証、日本語教育機関の在職証明書の写しが必要となります。
注意:登録日本語教員になるためには日本語教員試験に出願したうえで、経過措置の対象であることの確認を受け、試験の合格証書を入手する必要があります。
E-2ルート
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| 適用期間 | 日本語教員試験出願時に必要な書類 | 必要な講習 | 免除される試験・研修 | 費用 |
|---|---|---|---|---|
| 令和11年3月31日まで | ・日本語教育能力検定試験合格証書(平成15年度~令和5年度)(写し) ・講習Ⅱ修了証(写し) ・日本語教育機関の在職証明書(写し) |
講習Ⅱ | 基礎試験・応用試験・実践研修 | 講習Ⅱ 17,600円 |
経過措置Fルート
経過措置C、D、Eルートのいずれにも該当しない現職者に適用されるルートです。
実践研修は免除され、基礎試験と応用試験に合格すれば、登録日本語教員になれます。
このルートの適用期間は2029年3月31日までとなっており、日本語教員試験を受ける際には、日本語教育機関の在職証明書の写しが必要となります。
Fルート
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| 適用期間 | 日本語教員試験出願時に必要な書類 | 必要な講習 | 免除される試験・研修 | 費用 |
|---|---|---|---|---|
| 令和11年3月31日まで | ・日本語教育機関の在職証明書(写し) | なし | 実践研修 | 基礎試験+応用試験 18,900円 |
令和7年度 登録日本語教員試験の実施概要
令和7年度の登録日本語教員試験の概要は以下の通りです。
令和7年度の登録日本語教員試験の概要
| 試験日 | 令和7年11月2日(日) |
|---|---|
| 出願期間 | 令和7年7月14日(月)~8月22日(金) |
| 受験料等 | 通常※1 基礎試験及び応用試験 18,900円 試験免除を受ける場合※2 (1)基礎試験免除免除資格の確認及び応用試験受験料 17,300円 (2)基礎試験及び応用試験の双方の免除資格の確認手数料 5,900円 ※1及び2(1),(2)の費用には合格証書発行を含みます。 |
| 受験票発行 | 令和7年10月中旬予定 |
| 結果通知 | 令和7年12月12日(金)予定 |
出願はオンラインのみで、すべての提出書類をデジタルデータ化し、試験システム上にアップロードする形になります。そのため、事前にスキャンや写真撮影を行い、必要な書類を準備しておく必要があります。受験票もPDF形式で、システム上からダウンロードする形式です。
受験料は収入印紙での納付となります。自身が選択した資格取得ルートの審査が完了次第、納付に関する連絡が届きます。試験システム上で「収入印紙提出用台紙」をダウンロードして印刷し、受験料分の収入印紙を貼り付けたものを、指定の納付先へ郵送することで手続きが完了します。
支払い方法は郵送のみですが、次回以降は電子納付(ネットバンキング)による振り込みが可能となる予定です。
なお、所定の受験料よりも多い収入印紙を貼った場合でも、返還はありませんので注意が必要です。また、不足があった場合は、期日までに不足分を支払わなかった場合、受験資格を失効し、その場合も受験料は返還されません。十分に注意しましょう。
基礎試験と応用試験の概要は以下の通りです。
基礎試験と応用試験の概要
| 基礎試験 | 応用試験 | |
|---|---|---|
| 試験時間 | 120分 | 読解:100分 聴解:50分 ※途中30分休憩あり |
| 出題数 | 100問 | 読解:60問 聴解:50問 |
| 出題形式 | 選択式 | 選択式 |
| 配点 | 1問1点 (計100点) |
1問1点 (計110点) |
| 合格基準 | 必須の教育内容で定められた 5 区分において、各区分で 6 割程度の得点があり、かつ総合得点で 8 割程度の得点があること。 | 総合得点で 6 割程度の得点があること。 |
【条件別】資格取得ルート
登録日本語教員への移行手続きは複雑で、自分がどのルートに該当するのか判断に迷っている方もいることでしょう。ここでは、それぞれの状況ごとに、どの資格取得ルートをめざせばよいのかをわかりやすく解説します。
ご自身で判断したルートに間違いがないかどうか、いま一度、この記事を参考にして確認してみてください。
これから日本語教師をめざす方
現職の日本語教師ではない方が、2024年4月の新制度開始後にゼロから日本語教師をめざす場合、「養成機関ルート」と「試験ルート」のどちらかが対象となります。あなたの学習スタイルやめざすキャリアに合わせて、最適なルートを検討しましょう。
養成機関ルート:文部科学大臣の登録を受けた日本語教員養成機関(大学・大学院等)で必要な教育課程を修了し、応用試験に合格した上で、実践研修を修了するルートです。養成機関ルートには、次の2つの種類があります。
・一体型:登録日本語教員養成機関と登録実践研修機関の両方の登録を受けた機関で、養成課程と実践研修を一体的に修了するルートです。
・分割型:登録日本語教員養成機関で養成課程を修了し、その後、登録実践研修機関で実践研修を受けるルートです。
試験ルート:養成機関に通わず、独学で日本語教員試験の「基礎試験」と「応用試験」の両方に合格し、登録実践研修機関で実践研修を修了するルートです。
420時間講座を修了した方
過去に文化庁に届出が受理された420時間講座を修了した方は、その学習経験を活かし、「経過措置Cルート」または「経過措置D-1ルート」の対象となります。
具体的には、修了した420時間講座が「必須の教育内容50項目」に対応した課程であり、学士(大卒)以上の学位を持った方は、経過措置Cルートに該当します。このCルートは現職の日本語教師ではない方でも対象となります。
一方、現職者で、必須の50項目対応前の「日本語教師の5区分教育内容」を実施する養成課程を修了し、学士(大卒)以上の資格を持った方は、D-1ルートとなります。
注意:経過措置Cルートは現職の日本語教師ではない場合でも対象となりますが、経過措置D-1ルートは現職の日本語教師のみが対象となります。該当しない場合は他のルートを検討する必要があります。
CルートやD-1ルートに対応する大学・講座等は以下を参照してください。
参照:『「日本語教育機関の告示基準」(平成28年7月22日出入国在留管理庁策定)第1条第1項第13号ニに規定する日本語教員の要件として適当と認められる研修について届出を受理された日本語教員養成研修実施機関・団体』(文部科学省ホームページ・
https://www.mext.go.jp/a_menu/nihongo_kyoiku/kyoiku/kyoin_kenshu/pdf/94109501_02.pdf)
参照:『日本語教師養成課程を実施する大学』(文化庁ホームページ・https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/kyoin_kenshu/pdf/94109501_01.pdf)
日本語教育能力検定試験に合格した方
日本語教育能力検定試験に合格している方は、その資格を活かして「経過措置E(E-1、E-2)ルート」の対象となります。このEルートも現職者のみが対象です。
Eルートは、いつ日本語教育能力検定試験に合格したかによって、次の2つに分かれます。
E-1ルート:1987年4月1日〜2003年3月31日の日本語教育能力検定試験に合格した方。
E-2ルート:2003年4月1日〜2024年3月31日の日本語教育能力検定試験に合格した方。
独学で資格取得をめざす方
養成講座に通う時間や費用を抑えたい方、あるいは独学でも充分な実力があると考える方は、「試験ルート」のみが対象となります。
このルートでは、日本語教員試験の基礎試験と応用試験に合格した上で、実践研修を修了する必要があります。
養成機関の修了経験がなく、検定試験にも合格していない日本語教師の方
養成機関を修了しておらず、かつ旧制度の日本語教育能力検定試験にも合格していない現職の日本語教師の方は、「経過措置Fルート」が適用されます。このルートで資格取得をめざすには、まずご自身が「現職者」の定義に当てはまるか確認する必要があります。
「現職者」とは、2019年4月1日から2029年3月31日までの間に、国内の法務省告示機関で告示を受けた課程、大学、認定日本語教育機関で認定を受けた課程、文部科学大臣が指定した日本語教育機関で、日本語教員として1年以上勤務した者を指します。
ただし、勤務経験として認められる機関には注意が必要です。国外の大学での経験は対象外となり、国内であっても、小学校、中学校、高等学校、高等専門学校などでの経験は要件の対象外となります。
また、無報酬の場合でも、雇用主からの在職証明書などで日本語教育課程を担当したことを証明できれば、この条件を満たすと考えられます。
まとめ:大手前大学で登録日本語教員をめざそう
ここまで、登録日本語教員の資格取得ルートについて、それぞれの対象者や必要な手続きを解説してきました。登録日本語教員をめざすには複数のルートがあり、ご自身に適切なルートがあることも、おわかりいただけたと思います。
大手前大学通信教育部での学び直し
「日本語教員」の国家資格取得と、大学卒業の学士号取得。この二つを同時にめざせるのが、大手前大学通信教育部です。働きながら学びたい方や、これまでの経験を活かして効率的に学び直したい方にとって、最適な選択肢となります。
大手前大学は、通信制大学で初めて「登録日本語教員養成機関」と「登録実践研修機関」が一体化した「登録日本語教員養成・実践研修課程」として 文部科学大臣の登録を受けました。これにより、教育実習を含む実践的な学びまで大学内で完結できるため、安心して資格取得をめざせます。
また、大手前大学の大きな特長は、「卒業要件に必修科目なし」という独自のシステムです。日本語教育に関する科目は、教育実習を除きすべてオンラインで履修でき、日本語以外の興味のある科目と自由に組み合わせて学ぶことができます。これから日本語教師をめざす人はもちろん、経過措置の適用を受けられる420時間講座を修了した方も、これまでの学習経験を活かし、効率的に学びを進めることが可能です。
オンライン学習を軸としているため、場所や時間を選ばず、全国どこからでも自分のペースで学習を進められます。仕事や家事と無理なく両立しながら、将来のキャリアに直結する専門知識を身につけ、応用試験への対策もできる柔軟な学びやすさを実現しています。
※さらに詳しく知りたい方はこちら
日本語教師 合田 由記さん
授業の準備は大変だけど
とても楽しく、やりがいのある仕事
大手前大学では、日本語教師として必要なスキルを一通り身につけることができたと感じます。教育実習や他の方の模擬授業を見学できたことも貴重な経験でした。また、日本語教育だけでなく、コミュニケーションや心理学を学んだことで、先生方とのチームワークや学生との接し方、クラス運営にも役立っています。
授業では学生から学ぶことも多く、自分自身の成長にもつながっています。日本語教師の仕事は、準備をしっかり行えばとても楽しく、やりがいのある仕事です。入学当初は単語しか話せなかった学生が、卒業時には流暢に話せるようになる姿を見ると、大きな喜びを感じます。特に印象的だったのは、卒業の際に学生たちがサプライズで日本の歌を歌ってくれたことです。とても感動し、日本語が持つ力と美しさを改めて実感しました。



